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Saori Kodama

Vol.13

児玉 沙織

職業: 歯学部学生

年齢: 29歳

facebook:https://www.facebook.com/pages/Mimedical-innovation/932608520111444

Vol.13 児玉 沙織(歯学部学生/29歳)

仕事内容は?

歯学部の学生です。いわゆる「歯医者さん」でイメージされる、歯を削ったり、入れ歯を作ったりする他に、口の中の病気(癌や腫瘍、先天性疾患や自己免疫疾患など)を治療したり、嚥下が困難な人の訓練をしたり、癌や事故などで顎を失ってしまった人の補綴物を作ったり機能訓練をしたりと、意外に幅広い分野の勉強をしています。

その仕事についたきっかけは?

正直なところ、はじめから歯科医師を目指していたわけではありませんでした。一生食べていける資格がほしい、と思ったのがきっかけです。いくら男女雇用機会均等法が施行されたからといって、本当に男女が平等かと問われればそうではないと言わざるをえないでしょう。

どこかの企業にお勤めしたとしても、万が一結婚し、子供を産むとなれば休職しなければなりません。もちろんその後復職し、素敵なキャリアウーマンになる方もたくさんいらっしゃいますが、未来は時に残酷になります。両親の介護などで退職することもあるでしょうし、助け合ってきた夫がリストラにあう、早世する等の予測不可能な事態になることも考えられます。

そうなったとき、中年で子供を抱えた 資格を持っていない女性の再就職は大変困難なものになります。同世代の男性と同等の給料をもらえる職業にはつけないでしょう。

その点、歯科医師、医師などの国家資格を有する方は、何歳になっても再就職できますし、開業して自分の勤務時間を好きに調節することもできます。・・・というのが、恥ずかしながら私が歯科医師を目指すきっかけになったことです。どうしても、「どうせ結婚して養ってもらえればいいでしょ」とは思えなかった私は、歯学部に進みました。

しかし、実際に歯科の勉強をしてみると、自分の知らなかった世界が広がっていきました。歯科の分野において、大切なことなのに世間では一般に知られていないことが多かったり、数々のお医者さんを巡って数十年経ってやっと歯科病院にたどり着き、「やっと人並みに喋れるようになった」と喜んでくださった上顎切除の患者さんの顔を見ていると、まだまだ勉強して役に立ちたいことがたくさんある、と思うようになりました。

仕事の好きなところは?

患者さんの笑顔が見られるところでしょうか。歯が痛くて駆け込んできた患者さんや入れ歯が合わなくて何年も悩んできた患者さん、手術によって顎や舌が切除されてうまくしゃべれない患者さんや、なんだか突然口の中に激痛が走って皮膚がめくれてごはんが食べられない患者さんなど、多種多様な患者さんたちが安堵の笑顔で家路につかれるのを見ると、うれしくなります。

まだ学生で、患者さんに直接治療を加えることはできないのですが、確かな技術と経験に裏打ちされた先生方のように、いつかあんなふうに診療できたらな、と思っています。

その仕事を一言で例えると?

技術・経験・信頼!

自分のチャームポイントは?

どこかしら。

将来のビジョンは?

口腔リハビリに興味があります。嚥下しにくくなった方の訓練をしたり、手術で顎や舌を切除した方の摂食や会話をするための補綴物(顎義歯といいます)を作ったり、口唇口蓋裂の赤ちゃんがおっぱいを飲めるように、Hotz床と呼ばれる装置を作ったりするお仕事です。言語聴覚士さんとタッグを組んで言語治療もおこなうのですが、言語聴覚士さんに言われた言葉があります。

「今まで他人から、喋っていることが全く理解されなくて悩んでいた人が、装置一つだけで明瞭に喋れるようになって笑顔で帰っていく。あなたたちはその装置を作るだけじゃなく、笑顔も作れるのよ。素敵な仕事じゃない」

将来、その言語聴覚士さんに、面と向かって「素敵」といわれるような歯科医師になりたいと思っています。

さらにそのまた未来、いつか開業できたらなあと思っています。歯科医師としてだけでなく、一人の人間として信頼され、頼られる存在、そんな人になるのが私の生涯の目標です。