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『フロムマザーコンプレックス』:林檎と成孔をこよなく愛する役人のひっそり連載001

[連載]
林檎と成孔をこよなく愛する役人のひっそり連載001

ヤーマン
昨夜連載を持つことになった一介の役人です、以後お見知り置きを。

岡勇樹 a.k.a UQとは、厚◯労◯省の福祉人材確保対策担当者会議で、出会った~
その日、医療福祉系イベントプロデュースのパイオニアとして登壇したUQは、プレゼンの最中、単語をど忘れしたらしく、まごつき始めた。
「あの、なんだっけ、シャープみたいなやつ、SNSで使う…」
「ハッシュタグ!」
思わず声をあげたのが、最前列で聴講していたわたしだったというわけだ。
だって、この空間でその答えがわかるの、わたししかいないと思ったから。
UQは覚えていないだろうけれど。

さて、初回の記事なので自己紹介を兼ねて、「なぜわたしが役人になったのか」について書きたいと思う。

きっかけは、高校2年の時分、クソ教師を駆逐する権力が欲しくて、学校教育の現場を変えたくて、文◯科◯省を志したことだった。
大学に入り、公務員受験を本格的に見据え、官庁の説明会に足を運ぶ中で、自身の「やりたいこと」が鮮明になった。

幼稚園の年中さんの頃だったと思う。引っ越すことになった。
引っ越した後は保育園に通うことになった。
姓が変わったのもその時だ。
幼稚園ではお行儀よく制服を着ていた同級生が、パンツ一丁に裸足で駆け回るようになった。

不幸自慢が始まりそうな書き出しだが、実のところ、苦労らしい苦労をした記憶はない。
ただ、今になっていくつか思い当たることはある。

・旅行や外食の記憶が全くないこと。
・思春期になり、服のレパートリーの少なさを恥ずかしく思っていたこと。
・公営住宅に10年間住んでいたこと。
・大学進学に伴い市の母子福祉金を借りたこと。(面接の際、職員がえらく高圧的だったことも付け加えておく)

それでも、努力に徹し、類稀なる仕事の才能を発揮したのおかげで、何かを諦めることなく進路を選ぶことができた。

そんなわけで、自分が恵まれているとも、恵まれていないとも思っていなかった。
立ち位置がわかったのは、厚○労○省の事業説明会に行った時だった。

その日のトピックは「子供の貧困対策」だった。
今、議会や役所にとって最も重要な政策課題の一つである。
「子供の貧困」を語る上で避けられないのがひとり親家庭、特に母子家庭の問題。

じゃあ質問です。
母子家庭の世帯年収はいくらだと思ってんの?

(例のBGM)

348万円

ちょwwwww
単身で入社○年目のわたしよりwww少ないwww
これでwww子供とかwww育てるのwwwムリwwwww

と、思わず草を生やさざるを得ない金額です。
これ、就労所得ではないからね。働いて得られるお金はもっと少ない。

ちなみに、子育て世帯の平均は707万円なのでちょうど半額(未満)となっております。
(以上、厚生労働省2015年調べ)
どう考えても苦しいね!

母子家庭はあらゆる社会問題を内包している。
スティグマ、女性の社会進出、ワンオペ育児、その結果としての貧困、さらに子供の教育格差による貧困の連鎖、果ては虐待。
虐待要因のうち、ひとり親は約3割を占め、第1位となっている。

現実を目の当たりにした時、綱渡りをたまたま無事に渡り終えてようやくここに立っているのだと、初めて自覚した。
母に、そして社会に、生かされたのだと。

結婚を機に仕事を辞め、キャリアらしいキャリアもない中、40歳を目前にして、わたしと弟をたったひとりで育てていかなければならなくなった、あの時の母のために。
そして、綱渡りを強いられている多くの子供達のために、働きたいと思った。

そんなわけで、わたしが役人として創りたいのは、
・誰しもが、人生における様々な挫折や障害を経てもなお、自分の努力と能力で再び輝くことができる社会
・誰しもが、自分の努力や能力の及ばない状況によって選択の機会を奪われない社会

の大きく2つ、実質1つ?です。

あーあ、柄にもなく語っちゃった。
本誌のコンセプトと大分外れているような気がしますが大丈夫でしょうか。
次回はもう少し役所に(というか、福祉に)関係ある話をしたいと思うので、見逃してね。

※掲載内容はことがみ倫理個人の見解であり、所属するあらゆる団体の見解ではないよ。

Text by : ことがみ倫理

福祉・衛生行政に携わる自治体職員
椎名林檎と菊地成孔をこよなく愛する
ひっそりミスiD2018セミファイナリスト
@ktgm_rinrin