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『存在し続けるという応援の仕方』:午前0時の診療所 by リアルDr.コトー002

[連載] 午前0時の診療所 by リアルDr.コトー
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皆さんこんばんは。

内心どぎまぎしながら始まった連載でしたが
あたたかいメッセージを多数いただき感謝感謝です。
やはりどんな時も応援は力になりますね。

前回の記事で私自身も過去に患ったとカミングアウトした『強迫神経症』
100人に1人が経験する頻度の高い病気です。
これを読まれている方の中にも悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。

自分でもおかしいとわかっているのに不安や恐怖(強迫観念)が繰り返され、
不安を消すための行為(強迫行為)に執着し、社会生活がまともに送れなくなる病気。

厄介なことに、どんなに疲れても、どんなに辛くても、
強迫行為で一時的に恐怖はまぎれます。
本当にしんどいのはいよいよ強迫観念と向き合い、強迫行為を放棄する時。
実はその時こそが孤独で苦しい闘いの始まりだったりします。

私の場合、ちょっとしたつまずきがきっかけでした。
自分に自信が持てず、悩み焦った結果すがった『数字(体重)』
目標を維持することが何かに没頭している証しという強迫観念に取りつかれ
42、39、34、32、29、27kg、と目標をどんどん下げ(上げ)ていきました。

夏でも全身にカイロを貼り、
肋間筋が減ったことにより拘束性呼吸障害になり、
耳の周りの組織も衰えたことによる耳管開放症になるなど
心身ともに蝕まれながらも、強迫行為を放棄できなかった中で

ひたすら時が来るのを待ってくれた主治医、
「冷たいね」と手を取り温めてくれた祖母、
号泣しながらも向き合い続けてくれた母。

他にも沢山、ただただ一緒に時を過ごしてくれた友人など
孤独な闘いのように思えた日々には
それぞれの方法、それぞれの想いで応援してくれた多くの存在がありました。

寝付けない夜にでもさらっと読める医療関連記事を、
明日も生きてみようと思ってもらえる文章で届けたい。

そんな思いを込めて名付けた『午前0時の診療所』
続けること、存在することが誰かのエールになりますように。

次回はミャンマーでみた医療の現状について書こうかな。

Text by : コトー

都内総合病院に勤める小児科医、時々旅人

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