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『EDMとBPMならわかる』:林檎と成孔をこよなく愛する役人のひっそり連載004

[連載] 林檎と成孔をこよなく愛する役人のひっそり連載004

こんにちは、アイコニック役人こと、ことがみ倫理です。
連載も早いもので第4回目です。
今回は時流に乗って「証拠に基づく政策形成」について取り上げたいと思います。
なんか難しそう!

裁量労働制の対象拡大の根拠に当たるデータに不備が見つかり、今国会での法案提出を見送ったというニュースが話題となっている。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2740251026022018PP8000/

裁量労働制って何?という方。わたしもよくわかっていないけれど、そのまま読み進めてもらって大丈夫です。
こうしたニュースを受けたり受けなかったりしつつ、今に注目されているのが「証拠に基づく政策形成(evidence based policy making=EBPM)」という考え方。

昨年8月には政府がEBPM推進委員会を創設するなど、じわじわとその重要性が認識されているっぽい。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/ebpm/index.html

EBPMとは、ざっくり言うと「政策を考える上で、ちゃんと統計等で裏付けのある客観的なデータを参照しようね」ってこと。
当たり前とも思えるのだが、どうやらあんまりちゃんと出来ていないようなのです。
※EBPMについては、わたしもこの記事を書くにあたって調べているところなので、全く詳しくはありません。ちゃんと知りたい場合は日経新聞のコラムでも読んでください。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25146380X21C17A2000000/

さて、冒頭のニュースは「政策決定の根拠となっている調査結果について、200件以上ものデータに不備があった」という内容。
このニュースを聞いて、あなたはどう思いましたか?
「200件以上ものデータに不備があったら政策決定の根拠なんてあってないようなもの。EBPMに反している!」と思う方が多いからこそ、政府は今国会での法案提出を諦めたわけですが、この考え方自体、「証拠に基づいた政策形成」となっているのでしょうか。

本件のデータの正否はさておき(←超★重要)、「200件以上ものデータに不備がある」=「政策決定が不当」とは、必ずしも言えないはずで。
例えば「200件以上」という件数が、結果に影響を及ぼすだけのボリュームを有するのか、あるいは「不備」が結論に影響を及ぼすだけの深刻さを有するのか。
こうした点を検証しない限り、「200件以上ものデータに不備」があったとして、それは単なる事実であって、「だから何なのか」という政策形成(今回で言えば「今国会での提出を見送り、再調査を行う」こと)はできないのではないか。

果たして、本当にEBPMではないのは誰なのでしょうか?
政治家と役人と同じように、あるいはそれ以上に、一有権者としてEBPMを実践したいものです。

取っつきにくいテーマにも関わらず、最後まで読んでくださった方、ありがとう♡
お礼に最近一番好きな画像をプレゼントします。

※掲載内容はことがみ倫理個人の見解であり、所属するあらゆる団体の見解ではないよ。

Text by : ことがみ倫理

福祉・衛生行政に携わる自治体職員
椎名林檎と菊地成孔をこよなく愛する
ひっそりミスiD2018セミファイナリスト
@ktgm_rinrin