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『デジリハを応援しています❤︎』:ファンタジーガールのワンダーランド005

[連載] ファンタジーガールのワンダーランド005

前編後編に渡り、Kaoちゃん、誕生秘話をお読みいただき、ありがとうございました❤︎
さて、現在のKaoちゃんは、今年6月には7歳を迎えます。4月から、小学校1年生!ランドセル準備もバッチリ❤︎

彼女の誕生と存在が、私にとってどんなにか特別で素晴らしい奇跡だったことか。『120%親バカ』は、『120%命バカ』と言えるかもしれませんw

さて、今回は、ウブマグの運営をなさっているUbdobeさんとの出会いを書かせていただきます。
実を言うと、Ubdobeさんとは、まだ出会ってから、そんなに経っていないのですが、光栄にも連載ライターのお声をかけていただき、このような機会を与えていただきました。

昨年(2017年)、11月。私は、東京都主催の最新医療福祉を紹介するイベントで歌を歌わせていただきました。その折、NPO法人Ubdobeさんと衝撃の出会いをしたのです!

本番後に、イベント展示物や物販ブースを見学させていただいた時、Ubdobeの医療福祉系セレクトショップであるHALUの販売ブースに立ち寄らせていただいたのです。スタッフの方とお話しをさせていただいて、1枚のチラシをいただきました。私は、そのチラシに、思わず目が釘付けになりました。

「こっ…、これは…。これは、いつぞや、私がKaoちゃんに体験させたかった、あれではないか!!」と。

それは、Ubdobeさんが主催するプロジェクト、デジリハのチラシです。

「Digital Interactive Rehabilitation System」

 デジリハ。
〜子どもの視点とデジタルアートで小児医療・療育を革新していくプロジェクト。
全国、全世界のリハビリを必要とする子どもたちにデジタルアートによるリハビリを届けます。
医療従事者やエンジニアを中心としたチームで、リハビリテーションの質の向上を目指します。〜(デジリハ公式ページより)

っという、革新的なリハビリテーションの開発を行っているというチラシです。

そのチラシを手にした時、私の脳裏に数年前のある日の映像が浮かんできました。

それが、これです。

これは、Kaoちゃんが4歳の時に、某デジタルアート系体感型イベントに出かけた時の様子です。
この写真からは、Kaoちゃんが夢中になって遊ぶ姿を想像されるかと思います。が、現実は、そうとばかりは、いかなかった…。

Kaoちゃんは自分の気に入った体感ブースを何度も巡りたい。そして、ワンダーランドに引き込んで、自分のものにしたいと常に考えています。「ファンタジーに没頭したい!」のでありますw

イベント自体は、素晴らしい内容でした。しかし、あくまでも、一般の顧客を対象とした娯楽の1つとしてのイベントです。
連休中開催で、超満員。イベントは、より多くの人に体験してもらうことが主旨であります。ですから、ブースごとに長蛇の列に並ばなければならない。そして、中に入ったかと思うと、短時間で切られてしまい、次の順番へ送らなければならないので、Kaoちゃんペースでじっくりと見る事はできません。
『没頭』を阻止されてしまうKaoちゃんとしては、なかなかストレスフルです。

ちなみに、例えば、Kaoちゃんは、なんの変哲も無い普通のブランコにも、時間や順番のしばりさえなければ、2時間以上乗って遊ぶことができます。ただ乗るのではなく、様々なことを空想したり、風をきる感覚や空の移り変わりを楽しみながら、ブランコだけでも2時間、3時間と遊べてしまうのです。つい、この間の土曜日も、ブランコ2時間コース!まさに『没頭』。

もちろん、何かをする時には、順番は待たなければならないし、譲らなければなりません。Kaoちゃんにソーシャルスキルを身につけてもらえるように、集団行動や社会秩序を習得させる目的の場面では、しっかりと訓練を行ってきました。

しかし、当時、私が某デジタルアート系体感型イベントに Kaoちゃんを連れて行った理由は、他にも存在していました。

私は、Kaoちゃん誕生から、今日までの約7年間、Kaoちゃんのワンダーランド専属コロボックルとして、家庭で行える最上級のリハビリを目指し、『コロボックルによる、Kaoちゃんのためだけの発達支援。』を目指して来ました。

なぜなら、Kaoちゃんは3歳になる頃まで、大変なパニックの連鎖を繰り返しており、ことばの発達と対人コミュニケーションにも著しい困難を抱えいたからです。2歳の時に、発達外来の初診をしてくださった医師から「Kaoちゃんは、今では別人のように成長しています。」と言っていただいたほどです。2歳の頃のKaoちゃんからは、今のニコニコ笑顔のファンタジーガールは全く想像出来ないような状況でした。

Kaoちゃんのパニック頻発状況を緩和するために、私が家族と共に目指して来たこと…

1. 感覚過敏、場所見知り、人見知りを軽減するため、一緒に寄添い、早い段階から、あらゆる場所での状況を体感させる。外出も、外食もバンバンさせる。膨大な情報が脳内に入ってくるASDの世界を恐怖に感じていたKaoちゃん。その世界に生きることをむしろ、楽めるようになってもらう。

2. ことばの発達と対人コミュニケーションスキルを習得するため、人形を用いたロールプレイングを日常生活に取り入れる。人形のキャラクターを愛することを通して、対人コミュニケーションに於ける人間の多様な人格と個性を理解させる。それを現実社会の人間関係に取り入れさせる。

3. 感性を磨き、障がいを無二の個性として捉え、自己肯定感を持たせる。

4. ソーシャルスキルを身につけ、ワンダーランドと現実世界を自在に往き来できる切り替えON・OFFのスイッチを確立してもらう。

などなどです…。

具体的に行っていたことのひとつが、Kaoちゃんを『ファンタジーガールのワンダーランド』が体現化できるような場所やシチュエーションへ、出来るだけ連れて行くことです。某デジタルアート系体感型イベントへ出かけたのもその一環です。
Kaoちゃんの楽しいと感じる世界の中にコロボックルをはじめ、家族を引き入れてもらうのです。そして、まずは、Kaoちゃん側の世界に立って体験を共有することにより、対人コミュニケーションを確立する。ワンダーランドでの体験共有から確立したコミュニケーション法は、徐々に日常生活に活かせるコミュニケーションへ発展させられると思うからです。又、興味あるものに意欲的に触れようとする体の動きからは、体幹機能の発達も図ることができます。
感性を養い、好きなことから学ぶ力も養える。

Kaoちゃんは兼ねてから、タブレット端末などを利用して学習したり、プロジェクトマッピングのような光彩を利用したアートにも大変、興味があり、集中力を発揮していました。だから、Kaoちゃんリハビリに、それらのツールを活かすことは、きっと効果的だと思ったんです。
そのため、私は某デジタルアート系体感型イベントを『リハビリ』の目的で個人的に利用しようと考えたのです。

でも、先に述べたように、一般的な娯楽のイベントでは、『リハビリ』としての内容を完全に満たす事は出来ませんでした。

うーん…。

そんな訳で、私は、歌を歌ったイベントの帰り道、デジリハのチラシを握りしめて、「これだったんだよな…。私は、これをやらせたかったんだよな…。」と、心の中で呟いておりました。

その後、デジリハについてもっと知りたいと思い、Ubdobeさんにコンタクトを取らせていただいたのです。デジリハのような革新的なリハビリテーションシステムを必要としている子供達は、世界にたくさんいると思います。こう言った新しいアイデアが、医療福祉のBreakthroughを産んでいく姿は、当事者として、とてもワクワクするものです。
「こんな医療や福祉があったらいいなぁ。」と思ったアイデアが=実現化に結びつくことって、私たち当事者にとっては、夢のような話であって、国が法律や制度で決めてくれることに過ぎないというイメージがあります。様々な理由や手続の難解さで、実現化が頓挫してしまうことも有りがちなのが医療福祉の現場です。ですから、Ubdobeさんのような法人団体が、医療福祉の世界にカジュアルでスピード感のある刺激と彩りを与えてくださることの重要性は、大きいと感じました。
医療福祉に生きることは、エンターテイメントであるというUbdobeさんの考え方に大きな魅力を感じています。

そして…Ubdobeさんとやり取りをする中で、ひょんなことから、ウブマグの連載を書かせていただくことになりました。
私の直感型コロボックルノウハウでも、少しは社会のお役に立てることもあるのかどうか…、わかりませんが…。これからも、感謝の想いで、自分と娘との体験を綴らせていただきたいと思っています。

次回は、キングギドラ級の鳴き声が轟いていた、ワンダーランド創世記をお届けいたします!
創世記って、すごいんだぜ!ビックバーンののち、マントルからマグマ噴出、雨あられ!!突然の生命進化大躍進にコロボックルは大号泣w
まるで、NHKスペシャルみたいだ!!w

それでは、また、来週〜

Text by : Aki
姉妹デュオグループSAKURANBOで活動中のシンガーソングライター
ワンダーランドで就業中の車イスUserママ(先天性骨形成不全症)
https://www.facebook.com/sakuranbo.music.info/

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