はい!今回ウブマグがインタビューに伺ったのはこの方!!!
ダースレイダーさんです!!!
ダースさんといえば、
高速回転頭脳と音楽愛を武器に
HIP-HOP界を牽引し続ける超大物ラッパー!!
一方で、
2010年に脳梗塞で倒れ、合併症で左眼の視力を失うという経験もされています。
その後、眼帯をトレードマークに「片目のオジキ」として復帰!
高校生RAP選手権のレフェリーをはじめ、その後も音楽活動の勢いは止まらず
余命宣告を受けた経験を語った楽曲「5years」も大きな話題となりました。
現在はThe Bassonsのボーカルの他、
司会業や執筆業と様々な活動を積極的に続けていらっしゃいます。
さらには、最近
こんな激アツな活動も。
眼帯ブランド、その名もOriginal Guntie King。
そう、
OGK(オジキ)!!!!!!!!!!!
ネーミングからさすがすぎるでしょうよ・・・。
今回は、眼帯ブランドOGKのコンセプトや
ブランド設立のバックグラウンドを中心に
ダースレイダーさんが見る「視野の交代」について語っていただきました。
トレードマーク、「眼帯」の誕生秘話
眼帯ブランドOGK、すでに売り切れ続出だそうですね!
そうなんです。ありがたいことに。これからどんどん、アイテムを増やしてみなさんに届けられるようにしたいと思っていますので、再販待ちの方はもう少々お待ちください。
ダースさん自身、脳梗塞をきっかけに片目の視力を失っている「当事者」でいらっしゃいますね。ダースさんが、今やトレードマークとなっている眼帯を身につけるようになるまでには、どのような経緯があったのでしょうか?
片眼の視力を失ってから、もう8年になります。脳梗塞で倒れた後に、目の検査で視野欠損が見つかったんです。視神経が痛んで、左目は視野の中心部分が真っ白になっていました。
片眼とはいえ、日常生活にはかなり支障がありますよね。
両目を開けていると、左眼の白い部分が全体にかかってぼやけてしまうんです。なので、左目を隠している方が視力は上がるということで、眼帯を付けての生活を選びました。
なるほど。片目だけ失明した方にとって眼帯は必須アイテムなのですね。
ただ、いざ眼帯を探すと、全然選択肢がないんです。おもちゃの眼帯か、ゴスロリルックな包帯のやつくらいで。なんだか痛々しいし、毎日の着用には辛いものがあると感じたんです。そこで、服のブランドをやっている友人に相談したところ、余った生地で作ってもらえるということになって。
その後、GROOVE(グルーブ)というDJ系の雑誌で、眼帯のことが見開きで特集されたり。自分自身も「今日は何をつけようか」と服を選ぶ感覚になり、だんだんと眼帯をつける生活を楽しめるようになりました。
医療用アイテムから、ファッションアイテムへと変わっていったんですね。
次第に、街、特に国外で「なんだそれ」と声をかけられたり、「いいなぁ、俺も付けたいなぁ。」って言われることが増えてきたことで「そっか。そういう需要もあるのか。」と気づいて。今回、事務所を移転したのをきっかけに眼帯ブランドの設立と、販売を決めました。
マイナスをプラスに変える、HIP-HOP的な考え方
僕は眼帯で、物理的に左目が見えないことをアピールしていますが、世間には片方の目が不自由だということをオープンにしていない人が沢山いるんです。それは単純に、日常的に身につけられるものがないからというのもあると思います。僕の眼帯を手にすることで、そういう潜在的な層が、マイナスな気持ちを抱えて街を歩くのではなく前向きな気持ちで外に出られるようになるんじゃないかと思っています。
確かに。毎日身につけるものがダサかったら、もうつけなくていいやってなっちゃいますもんね。
実はこれはとてもHIP-HOP的な考え方だと思っていて。
マイナスとされていることも、視点を変えるとコロッとプラスになる。絶対値を引いて、凹んで見える部分も。裏返せば、反対に回る。そんな風に自分の状況を固定化しないで、ひっくり返していく。HIP-HOPは元々そういったメッセージ性のある音楽です。そして、目が不自由だ、というのは普通にいうとマイナス要素ですが、OGKはデザイン性の高い眼帯で、あえてそこを見せていこうとしています。音楽とファッション。ジャンルは違いますが、メッセージ性は一緒なんです。
今までは痛々しい印象を与えて、触れない方がいいとされていたかもしれませんが、可愛い眼帯していると気軽に声をかけてもらえるし、それをきっかけに目が見えないという自分の状況を発表しやすくなる。この、自分の状況を周りに言いやすいというところがミソですよね。
障がいや病気のことて、マイナスだと思って隠しがちだけど、これが自分だと受け入れて表に出した方が自分も楽だし、実は周りも、早いうちにその事を知っておけた方が、ずっと対応しやすいですよね。
当事者からしたら、周りに迷惑をかけているから申し訳ないという気持ちがあるかもしれませんが、別に得意不得意なんて、誰しも持ってるものですからね。障がいだろうと病気だろうと、そのグラデーションの中のひとつです。苦手なことを手伝う、得意なことをする。という当たり前の社会の空気を作っていけばいいだけだと思っています。
今生きていることをMAXで感じるために
ダースさんは後天的に視力を失われましたが、今のような考え方になるまで葛藤はあったのでしょうか?ずっと一貫して、強く生きているという印象が強いです。
いや、今でもしんどい日はしんどいですよ。だから強いなんてことは決してないですね。むしろ、そんな日はしんどいということを、はっきり言うようにしている。
調子悪いとか言うと辛いって話をしないでくださいって言われることもあるんだけど、僕にとっては、それって今日は天気がいいって言うのと同じことなんですよね。事実をありのままに話しているだけ。自分の状況をごまかしたってしんどいだけなので。状況を受け入れて、誤魔化さないことが大切だと思っています。
辛いこと自体ではなく、辛い時に、心に必要以上の誤魔化しや、そこから生じる葛藤を植えつけることの方が問題ですね。
「今、生きている」ということをMAXで味わうためには、強がってもしょうがないし、過度に落ち込んでも勿体無いんですよ。ただ、だからといってうまくバランスが取れるようになるのには時間がかかるから。リハビリのように、行ったり来たりしながらだんだんと克服していけばいいんだと思います。
・・・これは障がいや病気と向き合う人だけではなく、全ての人にとって学びのある考え方ですね。
僕も、かつての自分との比較を始めてしまうこともあるけど、今のところ時間を巻き戻すことはできないからね。最近は、その時はその時で十分楽しめた。それだけじゃないかって思えるようになりました。
そんなことより、怪我した最初の日と今を比べてどのくらいできることが増えたかを考えます。もしくは、状況は変わらなくても、自分がその状況と長い時間向き合うことができた、その経験がアップデートしているという意味では、どんなことも有益だと思っています。
そういう意味では、20代や30代の時より、今の方がたくさんのものがよく見えているんですよね。
片目を隠すと、世界が広がる?!
ダースさんは眼帯を商品化された際に、「簡単に視座の交代が出来るツールとして目が見える方にもつけていただきたい」とおっしゃっていますが、「視座の交代」とは具体的にどのようなことでしょうか?
眼帯を使えば、擬似的に片目が見えないことを体験できます。片眼を隠すだけで、距離感が難しくなって目の前のコップが取れなかったり、外を歩いてても、ラーメン屋の看板が見えなくてぶつかったり。真ん中を歩いているつもりでも曲がっていたり・・・。普段の視座では感じ得なかった体験をし、経験値を得ることができるんです。
自分と違う視点を持つことで世界を広げる。これが視座の交代です。
眼帯をつけるという状況は、足が動かない人や全盲の人に比べたらだいぶ色々なことができますが、だからこそ、重々しくとらえないで、そしてお洒落しながらそういった疑似体験ができるライトなツールだと思います。
▲ファッションアイテムとしての眼帯
確かに「いいこと」として障がいや病気の体験をするのではなく、もっとポップな気持ちで日常的にできるものがあったらいいですよね。
そう。例えば、施設にボランティアに行って障がいや病気のある人と関わることが学ぼうとすることは、意思が強く、とても立派なことです。ただ、そのハードルの高さが、敷居を跨ぎにくくしているのも、また事実なんです。
うんうん。如何にもいいことすぎることって、なんかやりづらいですよね。
何もしない人に対して、「お前は間違っている」と言うことは簡単だけど、多分それじゃ何も変わらないんですよね。ただただお互いの溝が深まっていくだけ。
でも、相手の視座に立ってみて、確かにそう思うよね、っていうことをわかってあげて、ファーストステップを用意することで、変わってくることがあると思うんです。
もちろんそれでその人がどう思うかは、その人次第ですけど。「こう思うべき。」って強制したってどんどん萎縮するだけです。むしろ自分だって、そこで自分のやっていることは正しいんだと思い込むこと、そこから見える世界だけになっちゃう。だからお互いに視座の交代をすることで、世界を重ね合うことが、まずは重要なんじゃないかなと思います。
「眼帯」に込めたラッパーとしての想い
自分の裏っ側のイメージを持つだけで、だいぶ生きやすくなるもんなんですよ。なんでわかってくれないんだ。なんで誰も助けてくれないんだ。そうやって嘆いているだけじゃ、その人たちを変えることは難しい。じゃあ、なんで?っていうところに視座を置き換える。眼帯を通して視座交換というツールを手にすることが、みんなが世界を広げる小さなきっかけになればいいなと思っています。
だからね、僕の眼帯は、バカやってる感覚でつけてもらっても全然構わないんです。バカやってるうちに、ハッと気づくことだってあるかもしれないもん。
眼帯っていうのは眼の帯と書くんだけど、僕たちは帯をそのままの響きでネクタイの「tie」としてそのまま「Guntie」と読んでいます。アイパッチではなく、「Guntie」というファッションを世界発信していきたいんです。ちなみに、「Gun」は銃。だから、「銃(Gun)」を「帯(tie)」で結ぶのは「Peace」だぞというラッパー的な言葉遊びも含まれています。
うわあああああ!すごい!めっちゃ鳥肌立ちました・・・!!!
視座の交代による経験、想像力と知識は、いつか必ず自分を助けます。僕も、もうダメだと落ち込んだこともあったけど、そんな時に思い出したのが、スティーヴィーワンダーやレイチャールズといった先人たちでした。そういえば、目が見えなくてもめちゃめちゃ楽しそうに歌を歌っていた人たちがいたなって。そういった、ものすごいことをやった人がいたという知識やその人たちの視座があったから、僕は今こうして生きています。僕も、視座の交代によって救われたひとりなんです。
それこそダースさんも、これから私たちにとってその『先人』のひとりになっていくのだと思います。今日は、貴重なお話をありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
片目を隠すことで、見えるものがある。
今や眼帯は、当事者、HIP-HOPファン、お洒落さん、
そして、世界を広げたい全ての方々におすすめしたいアイテムです!
▲OGKの眼帯のご購入は、こちらから!!!
そしてそして、ダースレイダーさんが脳梗塞での闘病経験を綴った自伝が
現在大好評発売中!!!!
その名も、
NO拘束!!!!!!!!!!!!
▲NO拘束のご購入はこちらから!!!
タイトルも表紙も闘病記とは思えないパンチ力!
合わせてこちらも要チェックですよー!!!!
ダースレイダーさん、
ありがとうございました!!!
▼ダースレイダー
1977年4⽉11⽇パリで⽣まれ、幼少期をロンドンで過ごす。
⽗はニュースステーション(EX)などの解説員も務めた和⽥俊。
全国東⼤模試6位の実⼒で東京⼤学に⼊学するも、浪⼈の時期に⽬覚めたラップ活動に
傾倒し中退。2000年にMICADELICのメンバーとして本格デビューを果たし、注⽬を集める。
⾃⾝のMCバトルの⼤会主催や講演の他に、
⽇本のヒップホップでは初となるアーティスト主導のインディーズ・レーベル
Da.Me.Recordsの設⽴など、若⼿ラッパーの育成にも尽⼒する。
2010年6⽉、イベントのMCの間に脳梗塞で倒れ、
さらに合併症で左⽬を失明するも、その後は眼帯をトレードマークに復帰。
2012年BSスカパー!「BAZOOKA!!!」内の企画「⾼校⽣ラップ選⼿権」に企画から参加し、
第1回放送にレフェリーとして出演。
2014年、漢a.k.a.GAMIが⽴ち上げた鎖GROUPに⼊社。
2017年「このまま⼿を打たなければ5年で死ぬ可能性がある」
と宣告されたことを歌った「5years」が話題となった。
現在はThe Bassonsのボーカルの他、司会業や執筆業と様々な活動を積極的に続ける
根っからのエンターテイナーとして活躍する。
本日のウブマグ記者/しょこ
結論:視座の交代、めっちゃ楽しい。
皆さんも、視座の交代による新しい世界、感じてみませんか?
詳しい着用レポは、ウブマグ公式Twitterで!!!