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『課題と可能性 ~ミャンマーの医療〜(前編)』:午前0時の診療所 by リアルDr.コトー003

[連載] 午前0時の診療所 by リアルDr.コトー
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唐突ですが、ミャウンミャと聞いてどこの地域かわかる方はどれほどいるでしょうか

ミャンマーの都市ヤンゴンから車で6時間ほどのところにある人口22万人の村。
そんな村に拠点を置き、周囲の農村域へ訪問診療している日本人女性ドクターがいます。

名知仁子さん。特定非営利活動法人ミャンマーファミリークリニックと菜園の会代表。
彼女の元を訪れたのは2017年10月、村への診療にも同行させていただき
アジア最後のフロンティアと呼ばれるミャンマーの医療を覗かせてもらいました。

それは他の新興国と比べても圧倒的に課題が山積みながら、
その分発展の余地、可能性を大いに感じられるものでした。

ミャンマーファミリークリニックに所属するのは名知さんはじめ現地のドクターとナース、ドライバーの4人。
訪問診療日は週に2日で、ミャウンミャの地域をいくつかの地区に割り振り、
1回に1地区、順々に巡っていきます。

早朝から集まり、テントや処方薬を荷台に積み、いざ出発。

道中は砂利道も多く、遠い村だと3時間以上かかります。
騒音、異臭、ホコリ、揺れ、、、
新興国の洗礼を存分に浴びながらも
この道を具合が悪い人が耐えられるわけがない、我々が行くしかない、
と妙な責任感が湧いてきます。

着いて早々、村長への挨拶を済ませ、早速診療所作り。

見ての通り、簡易なテントです。
診察室も布で仕切っただけ。
この日は幸い晴れていましたが、雨季の時期には水浸しになることも少なくないといいます。

状況把握もままならない中、
午前9時、診療開始とともに続々と村の人たちが集まってきます。

実際の診療や裏話に関してはまた次回。

Text by : コトー

都内総合病院に勤める小児科医、時々旅人

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