『声を失うということ』:俺は寝たきりになるけれど…連載003
[連載] 俺は寝たきりになるけれど…003
人間失ってはじめて気づくことばかり
もうすこししたら声を失うことは分かっています
でも、テクノロジーで声を残す技術があることも知ってます
いい時代やな~!ありがたい!
早めに、まだ普通にに話せるときのほうが準備しやすいことも分かっていました
話せるうちに声の録音をしておけば、声を失ってもパソコンなどを介してなんとか自分の声で話せる
やろうと思えばできるんです
でもついつい、そのうち必要になればと後回し
なんか大掛かりで大変そうだから
自分に必要になった時には誰かが声をかけてくれるだろうとか
近くでやってるところないしなとか
お金かかるんだろうなとか
たいして調べてもないくせに
言い出したらきりがない言い訳を無意識に考えて
見ないふり
活舌に関してだけではなく、全身で同じことが言えますが、身体の動きは日により違います
疲れがたまると動きが悪いし
緊張すると動きが悪いし
寒いと動きが悪いし
調子がいい時もあれば悪い時もある
だから『進行してる?』と言われても正直答えづらいんです
ただ最近呂律に関しては特に調子が悪い日が増えたなと感じます
手足も徐々に動きずらくなってるけど
口は一番使うので分かりやすい
普通の会話は小さな声であればそんなに不自由を感じなかったのが
(本音は不自由すぎるけど、慣れてきただけ…..)
今は小さい声でも伝わりづらいことを感じる
伝えたいことが簡単にに伝えられないからイラつく
特に家族に伝えられないとイラつくので口数も家では減ってしまう
ここ半年ではっきりと進行したなと分かる
大きい声を出そうとすると顕著にさらに悪くなる
しかも大きい声を出そうとすると、口調が荒くなり怒ってるみたいになるし疲れる
だから騒がしいところでは会話するのがめちゃ大変
もう話したくねーよって時もある
(これは時と相手にもよるけどほぼ無いですよ)
俺も人間なんで、まだまだそんなこともあります
そんな時は少し顔が引きつるし、より呂律が回らなくなる
お酒飲んでも呂律回らなくなるから、お酒の席がめちゃ騒がしい場合は会話がマジ大変
みんなの会話を聞いて楽しむことに専念する
みんなの会話にたまに突っ込みいれるけど、騒がしいと誰にも聞こえないから少し寂しい
酒の量減らせばいいだけだけど、それだけは無理
あー、飲みたくなってきた
話を戻して、ありがたいことに最近立て続けに、講演依頼が入りだした
だけど、講演依頼の電話に対して、うまく話せない
なぜか特に電話はうまく話せない
電話が鳴ると、うまく伝わらないかもとか、驚かれたらどうしようとか、分かりづらくて相手に迷惑を掛けたらどうしようとか、一瞬でいろいろ考えて緊張しちゃうんだと思う
そんな時にふと
『ん?俺、年末に講演とかできるような状態なのかな?』ってリアルに感じるようになってきた
やべ~な俺、もう話せなくなるのか俺???
まあ何とかなるんだろうけど
そして切羽詰まってやっと
まじ早く声を残しておかないと!!!って
そんなブログを書いたら、まあたくさんの情報をいただけ
まじ感謝です!!!
みなさんに支えられてるんだなって改めて実感するし
こういうSNSの繋がりって馬鹿にする人もいるけど、本物でリアルにもすることができるんだなって実感しています
まじSNS神
近い未来の俺は自分一人では何もできない
だから支え合える仲間をとにかく増やすんだって
仲間がいれば何でもできるんだって
そう思ってブログを始めたりなんかした
今回に関しても、すぐに声を残すための情報が集まって、なんとなくの段取りが付いた
2年半前この言葉を知って、はっとした
『自立とは相互依存関係が高いこと』
自立ってひとりで何でもできることだと考えて生きてきた
でも自分で働いて、コンビニ弁当買って家で食べるってひとりでできてるのかな?
そこには野菜を作ってくれる農家さん、例えば牛や豚や鶏を育てる畜産業の人
そしてそれを運送する人、調理する人、販売する人など、他にもたくさんの支えがあってやっとコンビニのお弁当は食べられる
働いてコンビニ弁当を食べることは、ひとりでやってるようで、ひとりではできない
人はひとりでは生きていけない、そもそも支えられながらでしか生きていけないんだな~って
自分ができないことは、人に頼って支えてもらってもいいんだな~って
俺はできないことがこれからもどんどん増えていくけど、支えてくれる仲間に頼っていいんだな~って
その代わりに俺は必死に生きる、あほみたいに笑う、仕事も少ししたりする
それが誰かに喜ばれたり、笑顔を作ったり、勇気や希望になったりすれば俺も人を支えることができるんじゃないかな~って
みんなが普通にやってることをするだけ
『よし、仲間をたくさん作ろう!支え合える仲間がたくさんいれば、何でもできちゃうじゃん』
こう思えるようになって、どん底の人生に一筋の光が出てきました
そして今回も、自分の声を残したいって発信したら、たくさんの情報が飛んできて自分ひとりでは絶対にできなかった、声を残す事ができるようになった
だからもう今はワクワクしかない
声がなくなる不安が一瞬でワクワクへ変えられる
さて、どんな言葉残そうかなあ~
くだらない言葉ばかり残したいな
くだらないことしか言えない寝たきり患者
いろんな人と繋れたおかげ、仲間が増えたおかげ
社会全体がもっとつながればいいのにな
人生どうとでもなるな~
俺の未来は明るい
はず!!!!
Text by : 落水洋介
無職の車イスライダー。
寝たきりでもできる仕事を作るために冒険中。
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