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『人間(1)』:天才と変態の連載013

[連載] 天才と変態の連載013

笑顔っていいよね。
確か、笑える生き物って人間だけらしいじゃん。
人間を笑わせる方法は様々で
一番最悪な笑いの取り方は、誰かを馬鹿にして下げてとる笑い
残念なことに、それは結構簡単で
最悪と言いながら、きっと今でも無意識に俺も使っている。

そんなんで取れる笑いなんて、たいしたことない薄っぺらい笑いで
笑わせてる方も、笑ってるほうもその時は安っぽい人間だろう

この数日、ずっと考えてることがあった
それは
自分が小学校の時、授業の一環で見た「公害病」の患者の動きの真似をして、周りの人間を笑わせていた事。
俺は当時なぜそんな最低な笑いの取り方をしたんだろうって
考えていたけど
残念ながらさっき、答えが見つかってしまった。
大した理由なんかなかった
上に書いたように、笑いが簡単に取れるからだった。
笑いをとって、人気者になりたかったんじゃないかな。

くだらねー、クソくだらねー人間だよ。
でも、そんなもんなだった。

当時笑わせる方も、笑う方も深く考えてなかった。
自分と違う、見た事のない動きの人間
きっと面白かったんだと思う。

みんなと同じよう教育も受け
ある程度厳しい家で育ったのに
そんな人間だった。

たぶん人生の経験値が足りず
相手の気持ちになれなかったんじゃないかな。

あの時大人にどうしてもらったら
一番嬉しかったか、今でも考えるよ
本気で怒って欲しかったのか
当事者と実際に交流する機会をつくってもらえばよかったのか
諭されたかったのか
何をされても変わらなかったのか

今となってはわからないけど
誰かに真剣に向き合ってもらいたかったかな。
本気の大人が見てみたかったかな。

そんな事を考えてる中
タイムリーな感じで
つい先日
会話の中で障害者ってワードを出したら
話してた相手が、顔を強張らせて、手をプルプルさせて
その人なりの「障害者像」を表現してきて
おれはシンプルに爆笑した

なぜ俺は笑ったのか
その後冷静になり一人きり部屋で「あの時何故笑ったのか」を真剣に考えたんだけど
もちろん自分と違う動きの障害者とか言われてる人たちを想像して馬鹿にしたのではなく
目の前にいるプルプルしてるおっさんについて「この人めっちゃアホだな」っていう笑いだった。
このご時世になかなかできないよ(笑)
よく知らん奴が、そんな真似したら
まあ、クソくだらねー奴だなって適当にあしらうか、下手したらキレるけど
その人は、すっごい優しいんだ。
そう考えると
ちょっと不謹慎かもしれんけど
ピュアだなって思った。

きっと
「障害者」
の「害」を「碍」とか「がい」にしよう!!!
って真面目に机の上で語ってる
ケンジョーチャよりも(どうでも良すぎる)
普通に
ショーガイチャと言われてる人たちと
話せると思うんだ。
「なにこれ?腕曲がってるけど、いたいの?」
みたいな。

話を元に戻すと
ニンチショーもショーガイチャも施設にぶち込んで
教育ではショーガイチャは普通の学校には通えず分け隔てている
日本て本当にダサいなと思う

その結果
ショーガイチャとかニンチショーとか
触れ合う機会がなくて
自分たちみたいな(俺は違うか!笑)
ケンジョーチャ気取りの人間が
自分たちが大多数を占めた普通の人間とか思ってるから
勘弁してもらいたい。

いざ、自分の範疇から外れた人間に出会ったら
ジロジロ見るくらいなもんで
その人たちが困ってたら
無関心決め込んで何もできない
無力な民ばかりだ。

そんな分け隔てまくっている日本が、先進国とか言われちゃって
何がどう進んでるんだ。
笑えるよ。

という悲しみを込めて
若者に向けた
social good camp in海士町を企画したのであった。

次回に続く

今日の押し付けの一曲

「People = Shit」 Slipknot
カタルシス

※ 物語はフィクションです。用法・用量を守って正しくお読みください。
 読み込みすぎると、一般的な価値観、常識から逸脱する可能性があります。

Text by : Dyson Daigo

特別養護老人ホーム職員 & LOVE AMAプロジェクトリーダー
真面目と不真面目のギャップが病的な36歳
http://www.love-ama.com

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