『必殺!ファンタジー会話!』:ファンタジーガールのワンダーランド013
[連載] ファンタジーガールのワンダーランド013
今日のファンタジーガールは、書きごたえがありそうだ!!!
締め切り間近なのに、今、この書き出しからのスタートを切る!!(笑)深夜1時20分。
隣でスースーと寝息を立てるファンタジーガール❤︎
壮絶に、かわいいぜ……。
ところで、これを書いている本日は『母の日』であります❤︎
とても幸せなことがありました。
Kaoちゃんは、寝る前によく「きょうは、なんがつ?なんにち?なんのひ?あしたは、なんがつ?なんにち?1は?2は?」と質問して来ることがあります。
「1は?2は?」というのは、日付のことではなく、「1は、学校へ行く。2は、ママとスーパーへお買い物に行く。3は、お家に帰る。」と言うようなスケジュールの順番のことです。
それで、先ほども、「あしたは、なんがつ?なんにち?」と質問を受けたので、Kaoちゃんに教えました。
「明日は、5月13日。明日は、母の日。Happy mother’s dayだよ。」と。
すると、Kaoちゃんが、私に抱きついてきてくれて、ニコニコしながら言ってくれました。
「おかあさん、ママ。本当におめでとうね?」っと❤︎
本当に嬉しかったです!
去年は、まだこんなに、おしゃべりもできていなかったし、時間の感覚も今ほどではない。クリスマスや誕生日のような解りやすい行事は認識していましたが、『母の日』のような、『お母さんに感謝する日』と言うような概念重視の行事には、まだ、あまりピンときていない様子がありました。
そんなKaoちゃんの口から、母の日に寄せた言葉を聴けるようになっただなんて。しかも、本当にニコニコしながら抱きついてきてくれて、両足をバタバタさせながら小刻みにピョコピョコ跳ねて❤︎言葉の上での形ではなく、本当に心の底から『母の日は、ママのお祝いだ。』と思ってくれての言葉に違いありません。すごく、伝わってきました。Kaoちゃんは、本当に大きく成長している。嬉しい限りです。
さて、「お母さん、ママ。本当におめでとうね?」と、可愛らしく言ってくれた愛しのKaoちゃん。しかし、その言い回しは、少し独特な言葉遣いではあります。
正しくは「お母さん、ありがとう。母の日、おめでとう。」が一般的かな?
でも、意味はわかりますよね!ちゃんと受け取ってあげられさえすれば、それが、Kaoちゃんの可愛いおしゃべりの仕方なのです。
最近のKaoちゃんは、とっても上手におしゃべりをしたり、自分の気持ちを伝えてくれるようになりました。
しかし、ことばを習得し出したころのKaoちゃんは、3歳から5歳まで、会話のキャッチボールをほとんど行うことができませんでした。
こちらが、何か話しかけたことに応答して相槌を打つことも難しい状態です。「お腹減った?」と言う問いかけに対して「うん。」とか「はい。」とか言うこともできなかったのです。
少し前までは、日常会話に関する質問はすべて、選択式でなければなりませんでした。
「Kaoちゃん、質問です!Kaoちゃんは、お腹が減っているでしょうか?1、減っている。2、減っていない。さぁ、どっち?」というクイズ式で、なおかつ決まった定型文に当てはまっていることが必要。そうした、型にはめられた質問をすることで、Kaoちゃんは、やっと「いち。」っと答えていました。
今は、もう少し自由な質問にも、独特の言葉遣いを駆使して、答えてくれます。その答えが、時に珍回答だったりするのが、かわいくて可笑しくて(笑)すごく、Kaoちゃんぽい❤︎
しかし、「今日、学校どうだった?」と言うような抽象的な質問には、今もなかなか答えることができません。自分が答えに困ってしまう質問の場合、以前のKaoちゃんには、全く反応を返す事ができませんでした。今のKaoちゃんは、なんとかお返事を返そうと頑張ってくれることが増えています。でも、前もって用意された回答がない場合、「…学校…、どうだったでした。」と言うような答えになってしまうこともあります。「どうだった?」と言う質問は、過去を振り返り、さらにその過去の内容から自分の印象に残るシーンをピックアップして、感想を述べなければならない。とても難しい質問だと言えます。
しかし、これらの状況もKaoちゃんにとっては、ことばの習得がかなり進んでからの状況であります。
前置きが長くなりました…、もはや、前置きの範囲を脱していると思いますが(笑)今日は、これから、Kaoちゃんの必殺技!『ファンタジー会話』について書かせていただきます。ここまでが、前置きだったことに自分でもびっくらこいている、深夜2時…
………。
はっ!!しまった、寝てしまった(笑)
翌朝を迎えて、更にまた深夜を迎えて、本編を書き始めるなり❤︎
さて❤︎
Kaoちゃん4歳ごろのある日、デパートでKaoちゃんを膝に乗せながら、Kaoちゃんの靴を選んでいたときのこと。
女性店員さんがやってきて、商品をご案内してくださるために声をかけてきてくださったのです。さらに、店員さんがKaoちゃんの顔を覗き込んで、Kaoちゃんに声をかけてくださいました。
「あら、こんにちは❤︎ おじょうちゃんは、何色が好き?」
店員さんの問いかけに、Kaoちゃんはすかさず、答えました。
「タータラッタラッタッタータータラッタッタ〜♪どうしたの〜?トレイシー! トレイシーのほっぺた、ぷぅっくぷくぅ!」
素晴らしいエンターテイナー回答です!(笑)
私は、まさかのタータラッタ♪のオープニングサウンド入りからの、キティーちゃん登場に大爆笑しながら、店員さんに通訳いたしました。
「赤が好きだと言う意味だと思います!」と。
そうです、これがKaoちゃんの必殺技!『ファンタジー会話』です❤︎
キティーちゃんは、みなさんご存知のサンリオキャラクター、ハローキティーちゃん❤︎さきほどのKaoちゃんのセリフは、ハローキティーの知育アニメの中の一節で、たぬきのトレイシーが虫歯で泣いている姿を心配している時のセリフです。
トレイシーのほっぺたは、ぷぅっくぷくぅで真っ赤っか。そして、キティーちゃんは、赤いリボンもつけています。
つまり、おそらく、『真っ赤っか』を連想するシーンを出してきたと言うことは、Kaoちゃんは『赤』を暗示してきているのです!
ことばを覚え始めた頃のKaoちゃんは、猛烈にDVDや動画等で、アニメのキャラクターがしゃべるセリフをインプットしていました。ひとり、DVDを見るだけでは、受動的になってしまう事を懸念したコロボックルは、出来る限り、そのDVDなどの映像を一緒に見て、横で声をかけ続けていました。
しかし…、Kaoちゃんは、映像を見続けているだけで、コロボックルの問いかけには、なかなか応じません。
そうこうしているうちに、Kaoちゃんは、アニメから覚えたセリフフレーズをたくさん口にするようになっていました。
しかし、長ゼリフをダダダダっとおしゃべりしている一方で、その内容はアニメのセリフの完全コピーです。そして、こちらの問いかけに対するレスポンスではないように思われました。
しかし、前回の記事で紹介したように、その頃、コロボックルは、Kaoちゃんがアニメのキャラクターのぬいぐるみに興味を持っていることに気がつきました。そして、ぬいぐるみをパペットのようにして、ぬいぐるみを介して話しかけられると、なんと独特の反応を示してくれることに気がついたのです。そこで、折を見ては、キャラクターのぬいぐるみを購入し、ぬいぐるみを使って話しかけ続けました。
そうしているうちに、Kaoちゃんは、ぬいぐるみを幸せそうに抱きしめながら、ぬいぐるみを介したコロボックルからの問い掛けに反応して、返事をしてくれるように。
それでも、はじめの頃、Kaoちゃんは問いかけに対して、全くお門違いな内容のアニメのセリフを口にしている…っかに見えた。
でも、しばらくして、お門違いは、コロボックルの方だと判明(笑)
ある日、ふと…
コロボックルは、新たに重大な事に気付きました。Kaoちゃんのファンタジーセリフが、無意味に発せられた意味不明の内容では、全く無いと言うことです!!
それは、Kaoちゃんの成長とともに、だんだんと鮮明に現れてきました。
解りやすい例を出しましょう。
例えば、何かを壊してしまった際、私たちは、『壊れちゃった!』のひとことでそのことを表すことができます。お腹が空いた時には『お腹減ったよ。』のひとこと。
しかし、Kaoちゃんの場合は、アニメから引用したセリフを定型文として使うことで、その状況を表します。
『キキくん。しなもの(品物)は、ぜんぶ、こわされてしまいました。わーん。わーん。』と言う、アニメのセリフの一節が、Kaoちゃんにとっての『壊れちゃった。』の意味、もしくは、壊れた時だけでなく、悲しいことがあった時の全般を示す表現。『悲しみ』を表すフレーズなのです。
『ごほっ!ごほっ!ちょっと、ぼく、風邪ひいちゃったみたい…うーん、たぬきくん。ちょっと悪いけれど、何か作ってくれない?』が、Kaoちゃんにとっての『お腹減った。』と言う具合です。
でも、これは、とても、わかりやすいタイプのセリフ例で、近年、特にKaoちゃんがよく使っていたフレーズに過ぎません。実際のところは、もっと複雑にアニメのセリフから、フレーズを駆使していたことになります。初期の頃は、さきほどのキティーちゃんからの『赤』連想のように、こちらがシチュエーションとセリフ内容を熟知して、さらにKaoちゃん流なら何を示してくるのか、引用の癖を熟知し、頭を捻らなければ、到底わからないような内容が、大多数をしめていました。
Kaoちゃんは、自分が記憶したフレーズをプラカードのように掲げることで、少しずつ他者と意思の疎通を図ろうと努力していたのです!!!
なんて、お利口さんなの❤︎
これは、コミュニケーションとして、かなり難易度の高い難しい大技であると思います。Kaoちゃんは、コミュニケーションの成立に興味を示していないかと思いきや、それはコロボックルが浅はかなだけ(笑)
Kaoちゃんは、忍耐に次ぐ忍耐と努力に次ぐ努力で、人知れず、自らの独自コミュニケーション法、すなわち『ファンタジー会話』に磨きをかけようとしていたのです!!なんと言う努力家なのでしょうか。私は、その事に気付いた時、Kaoちゃんの健気で孤独であったであろう闘いに、強く心を打たれました。本当に勉強家で努力家のKaoちゃん。
ひとりアニメのセリフを連呼していた頃、Kaoちゃんは、かんしゃくを起こして、怒ったり、泣いたりすることも多かったのです。Kaoちゃんの中には、きっと、自分の好きなこと、自分の想っていることを『伝えたい。』と言う想いが溢れていたに違いありません。
ただ、方法が独自性のあるやり方であったがために、それを解ってもらえないことの歯がゆさ、誰かと共有することのできない寂しさが、どれほどに辛いことだったか、想像ができない。
よく、耐えました。そして、姫、独学で、よくぞ、ここまで…。
その事に、気付かされたコロボックル、火がつきました!!
ならば、その『ファンタジー会話』、共に極めて見せましょう!!
まずは、Kaoちゃんが確立しようとしている『ファンタジー会話』をコロボックルが極限まで極めてみせる。そして、Kaoちゃんとのコミュニケーションを確立する。かつ、『ファンタジー会話』から、少しずつ私たちのコミュニケーションへも誘導していく作戦です。
『君のコミュニケーションでは、通用しない。全然、ダメだ、困ったものだ…。』っと言ってしまうのは容易い。
そうじゃないんだ。
彼女には、彼女のやり方があるんです。彼女は、彼女のやり方に、プライドを持って挑み続けている。
私は手をこまねいてなどいられない。『あなたが、私たちのコミュニケーションにすべて合わせなさい!』と言うのは、フェアじゃない。私も、あなたと同じ場所に立って、同じ場所から始める。それが、ワンダーランド流なのです。
その時から、コロボックルの『ファンタジー会話』特訓と、アニメ御出演のぬいぐるみネイティヴスピーカーたちの攻防は始まりました!(笑)
まず、Kaoちゃんがどんなセリフをどんなシチュエーションで出してきても、それが何のアニメの何のキャラクターが、どのようなシチュエーションで発したセリフなのかを全て把握できること。
それが、コロボックルの最初の課題です。
Kaoちゃんと、しらみつぶしに見ました(笑)でー・ぶい・でー、でー・ばい・でー。
そして、幼児向けアニメオタクを極める!!(笑)
なおかつ、アニメのキャラクターの声色のモノマネも研究❤︎
より、Kaoちゃんの興味を引くためには、似ていようがいまいが、中途半端は許されないのです!!(笑)
いつしか、Kaoちゃんはコロボックルに対して、アニメ制作総監督指揮のようにスパルタ指示を出し、とんでもないハイクオリティ演技を求めてくるようになります…芸の道は険しいのだ…w
『ファンタジー会話』には、『ファンタジー会話』で返答できるまでに、そのコミュニケーション法を極めてゆくべし。
自閉症の方の多くが『オウム返し』と言って、相手の人が述べた言葉をそのまま繰り返して発すると言う症状を持っていると言われます。しかし、私たちの場合、むしろ『オウム返し』なのは、コロボックルの方です(笑)
手探りから出発の『ファンタジー会話』。
あぁ、コロボックルやいかに…。
そうして、少しずつ、Kaoちゃんとコロボックルは、ぬいぐみを介して、『ファンタジー会話』を自在に操り、ワンダーランド家族の中でコミュニケーションを成立させることに成功していきます。そして、ついには、ぬいぐるを介してでなくても、脳内ファンタジーで会話可能となり、さらに現在は『ファンタジー会話』から通常の日常会話法を引き出すところまできました。
遂に始まった、ワンダーランド一座のコロボックル劇場!ガラガラに声を枯らしながら七色のアニキャラものまねを24h/365日!!
そう、コロボックルは極めなければならぬ!血へどぉを吐くようなぁ、特訓の嵐ぃぃぃ!!(笑)
プーは、ふうせんで飛ぶからね〜〜。そういう習性だから〜〜♪
次週は、『ファンタジー会話』成立から、Kaoちゃんのコミュニケーションが飛躍的に発展する過程をお伝えします❤︎
来週も、読んでほしいぞぉ〜〜❤︎
Text by : Aki
姉妹デュオグループSAKURANBOで活動中のシンガーソングライター
ワンダーランドで就業中の車イスUserママ(先天性骨形成不全症)
https://www.facebook.com/sakuranbo.music.info/
keywords