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白塗りの向こう側:天才と変態の連載017

[連載] 天才と変態の連載017

二週間前に職場で「敬老会あるけど、出し物にでない?たぶん踊りだわ」と声をかけていただいた

ありがたいなぁ

踊りと言われても、リズム感0の俺には難しいものがあるが

そんなことより年に一度の敬老会をどうやって盛り上げるか

スタッフ不足で練習に時間があまり割けない

敬老会一週間前に一度集まりリーダーから「松の木小唄」を仮装して踊ることを聞いた

6番まである歌で、3番までは女性陣4人が踊り

間奏を挟んで4番5番を男性陣3人で、最後6番を7人で合同で踊るらしい

踊りは一般的にはかなり簡単な部類だが、体に全く入ってこない(笑)

練習すれば、なんとなく似せることはできるだろうが・・・・

女性陣はチャイナ服、農家、カールのおじさん?、女子高生とバラエティー豊かで、踊りも上手いため問題はない

しかし

男性陣はほぼ出落ちのため、仮装をしてもすぐに飽きられる事が予想された

男性陣のパートはコントを入れよう!メリハリをつければきっと大丈夫!!?

その場で適当に考えてコントを入れ込み「Neo 松の木小唄」が完成!!

いやー楽しみだ。

練習終わりに当日のシフトを確認すると・・・・

!!!!!!!!

まさかの夜勤明になっており、その日は9時50分のフェリーで千葉に帰る予定だ。航空券もそれに合わせて手配してある
(ちょっとした手違いだったらしい)

敬老会は11時から。参加したら帰れなくなる・・

帰宅して調べると飛行機の便は変更できるらしい

千葉まで片道9時間。遠いなぁ・・・(笑)

次のフェリーで帰ると、家に着くのは0時を超えた真夜中

でも敬老会は年に1度

もちろんチケットを変更して参加することに

迎えた当日

予想以上のお客さんに緊張したのと練習不足で踊りがぶっ飛んだが

楽しかった

会場は・・・たぶん楽しんでもらえたかと!

踊りが終わって、会場の皆さんの所に足を運ぶと

最年長の男性入居者さんが「面白かったよ、ありがとう」と声をかけてくれた

あったけ〜〜 
懐ふかいぃ〜〜

すべったんじゃないかと不安でしたが癒された

主役である100歳の入居者さんのところに行くと

ご家族が

「あんたが来てからばあちゃん急に喋り出すようになったよ」と

まじかー!


( 怖すぎたのか )

島民馴染みオンのキンニャモニャ音頭が始まると

婆ちゃんノッている!?

すかさずシャモジを渡すと・・・

若干手を動かして踊ってるような、踊ってないような。

なにより普段と違い目が生き生きしてたから、最高だ。

メイクは簡単には落ちない為

帰宅して風呂場で落とすことに

仕方なく白塗りで車に乗り込み帰路につくと

車外から女子高生の悲鳴が

「ゔお@‘ァ〜」「まじ※#k‼︎」
と声にならぬ声

驚かせて申し訳ない!

趣味とかじゃないんだ

一生懸命生きてるだけなんだyo!

今日の押し付けの一曲
「松の木小唄」 二宮ゆき子
B面の「ウルトラCでやりましょう」 の方が気になる

※ 物語はフィクションです。用法・用量を守って正しくお読みください。
 読み込みすぎると、一般的な価値観、常識から逸脱する可能性があります。

Text by : Dyson Daigo

特別養護老人ホーム職員 & LOVE AMAプロジェクトリーダー
真面目と不真面目のギャップが病的な36歳
http://www.love-ama.com

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