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いかれたBaby:天才と変態の連載018

[連載] 天才と変態の連載018

祖父を交えての久々の夕食。

オカズが揃い始めていたが

「ダイゴ、焼き鳥好きだろ。買ってきたら?」
と爺ちゃんが言うもんで、徒歩5分のスーパーへ。

18時30分、買い物を済ませて家路を急ぐと

家の20メートル前で声をかけられる

尋常じゃないデカイ声で

「すいません!!この携帯落とさない方法教えて下さい💦」

心の中で反射で突っ込む

「知らねーし!!」

相手が普通の声量と物腰なら心の中で突っ込む事も無く対応しただろうが、年齢不詳のナチュラルドレッドヘアーのオバ様にいきなり大声で話しかけられるとビックリするものだ。

若干圧倒されたがオバ様の右手を見ると紐をグルグル巻きにして携帯を握りしめている。
焦ってるようでもあった。


(右手から解き放たれた紐)

その時の心境

①本気(マジ)で焦ってる!
②類友!?似たものを感じだたのか??笑
③てか聞く相手間違えてる〜〜〜!!!
(3月に財布とスマホ、4月にパスポートと無くした)

D.D「それ落とすかもしれないんで、首からかけたらどうですかね?」

ベイビー「あらーーー!何それ💓凄い💕首からかけるのは目からウロコ!買い物に行く途中だけど、帰ってお父さんに報告しようかしら!」

D.D「いやいや落ち着いて!とりあえず買い物しよう。何買うんすか?ころつけ?あぁ、、コロッケね。まず首から携帯かけたらどうですかね?」

ベイビー「イヤだーこれすごいね💗
シャツの中にしまおうっ!でも携帯と紐繋がって無いの(^.^)」

D.D「えーーー!1回出して!」

ベイビー「ほら!もうなくなっちゃった(爆)」

D.D「シャツの中だよ!笑」

ベイビー「ありがとう!36500円無くすとこだったー!明日デートでしょ!?早く帰んなよ!え?来週?コンパにデートに、はたまたダンス教室の先生か〜( ^ω^ )」

妄想をぶち込んできた!笑

D.D「ベイビー生きづらそうだねー」

ベイビー「なんでわかったの!」

D.D(そりゃそうだろ!)

俺の進化系か!?
D.Dはすっかりベイビーの虜に。

すぐそこに100均がある。
ネックストラップをプレゼントしよう。

その旨を伝えると

「とんでも八分、歩いて十分❗️❗️」
という、人生で初めて聞く30年くらい前のギャグをカマされる。
(この後追加で3回カマされました笑)

「あんたは背中に何か生えてんの?羽!天使?パピヨン?パピちゃんね👼」


(はじめまして。パピちゃん36歳です。)

ベイビーは1階でコロツケを
パピちゃんは2階にストラップを買いに

ストラップを買い終え、売り切れてコロツケを買えなかったベイビーと合流。

携帯にネックストラップをつけると
「なんだか胸が一杯になった」
と涙ぐむ70歳のベイビー
次の瞬間

「あ!!オシッコ漏れそうだわ!!」
「あれ?漏れたかしら?ほら湿ってる!笑」

道端で股間に手をあてちゃダメだ!!笑笑

D.D「家までもたないの?案内すっから!ハヨ」

隣のスーパーのトイレの入り口まで案内してバイバイ。

ベイビーは最初半泣きだったが、携帯を首にかける提案をした後は終始ニコニコ笑って楽しそうだった。

俺も笑ったなぁ。

帰宅して、みんなでベイビーの話で笑いながら夕食。

その後、入院してる婆ちゃんのおむつのサイズが合ってない事をドヤ顔で伝えると買いに行かされるハメに。

とぼとぼさっき買い物したスーパーに向かうと
ウロウロしている見覚えのあるシルエット!

ベイビー!!!

もうベイビーの所まで小走りだよね(笑)
「何してるの?あれからもう40分くらいたつけど!」
「お父さんパチンコ勝ってるみたいだから、待ってるの(^.^)」

待たされすぎだろ!!笑

再開を喜んでくれたベイビー70歳
もちろんストラップを付けた携帯は
首から下げることなくバックに入っている

「うれしー!君は光源氏みたい。ひかる君って呼んでいい?チュウしていい?もちろん手よ!ベロチューじゃないから💋」


(改めてまして。ひかる君36歳です)

スーパーの前で70歳のベイビーにキスをされるひかる君。

まもなくダンディな旦那さんが迎えにきた。

トータル1時間くらい楽しませてもらった。

こんな緩やかな時間をもつ余裕があれば

もう少し誰もが生きやすい社会になるんじゃないかと思った

本当は別に笑うほどの事でも無い

フツーのピースフルな話

その辺でいつも見られる風景になれば良いな

底抜けに明るいベイビースマイルと前向きな姿勢から多くのものを学ばせてもらった。

ありがとうベイビー

携帯なくすなよー!

今日の押し付けの一曲
「いかれたBaby」 Fishmans
ふかーい所に連れてってくれます。

※ 物語はフィクションです。用法・用量を守って正しくお読みください。
 読み込みすぎると、一般的な価値観、常識から逸脱する可能性があります。

Text by : Dyson Daigo

特別養護老人ホーム職員 & LOVE AMAプロジェクトリーダー
真面目と不真面目のギャップが病的な36歳
http://www.love-ama.com

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