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若者がFを叫ぶ#06「ひなたび vol.2 @岩手県宮古市タイマグラ 〜目でみて体で感じる編〜」

若者がFを叫ぶ#06「ひなたび vol.2 @岩手県宮古市タイマグラ 〜目でみて体で感じる編〜」

どうも。Fuck野郎です。

お久しぶりです!
今回のひなたびは岩手県宮古市タイマグラ。
高校の友達の実家であり宿である、山小屋フィールドノートに5泊6日、お世話になりました。

モバイル、電話は繋がらない。
ネットもルーターの半径7、8m。
風呂は薪ストーブで沸かす。
湧き水を引いてきて全てにそれを使う。
朝起きたら川で顔を洗う。
トイレは用を足したら土かけるやつ。
虫と同居。
縁側に熊。
8月なのにストーブ。

野生的血がたくさん流れている私にとってはめちゃめちゃエキサイティングで楽しい日々でした。

ここの宿主(友人の親父さん)は31年前、この家を借りて民宿を始めたそう。
当時は周囲の住民は一軒の老父夫婦のみ。
そこに親父さんがきて、宿を営み、桶職人の弟が移住し、映画監督が移住し、ハンターが移住し、親父さんのご両親が移住し・・・
親父さんを中心に集落になったと言っても過言ではない地域です。
親父さんは、「ここは日本の2.30年後の暮らしがみれる場所」とお話しくださいました。

こんな地域はとっても珍しいです。
ここで過ごす間に「地域」「まちづくり」というような普段よく耳にする言葉の源を知ることができたように思います。

それは、地域活性化は、自分の住む地がいいところだから、みんなにも見せたい、みんなにも来て欲しいといったポジティブな感情が始まりだったのではないか、ということです。

今は、「人口が減ってこのままでは存続が危うい、存続のためだ」という位置付けで活性化だ、と移住者を募り産業を盛り上げる動きがあるように思います。
危機回避、存続欲求的な動機からくる、活性化、とでもいいましょうか。
それはそれで大切な動きです。
今まで大切にされてきたものを後世に残そうとする、人間の本能的な営みです。
ただ、これは時代の中で、そういった位置付けに変化していったもの。
それが今の「地域活性化」であって、元はもっともっと前向きで、「ちょっと自慢したいな」みたいなものから始まっていて、それによって人が集まり活性化したのではないか、と。

少なくともここタイマグラは親父さんの宿が中心になって人が集まり、共同体ができあがっています。

私のような、「危機回避、存続欲求的な動機からくる活性化」の真っ只中で生まれた世代からすると非日常的な概念でしたが、一歩立ち止まって、「自分の自慢したいものは何か」という活性化の源泉からの視点で現代の地域活性化を捉えてもいいんじゃないかと、そんなことを思ったのでした。

当たり前だ、と言われそうですが私にとっては大きな気づきでした。

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足りない頭で色々考えたことをツラツラ書いても仕方ありませんので、写真にひとこと添えますので、タイマグラの良さを感じ取っていただけたらと思います。

駅まで迎えにきてくれた友人、Sho
彼の仕事は・・・

石畳を作り

風呂を沸かし

洗濯物を干す

他にも薪を割り、飯を作り、皿を洗い、お客さんの寝床を作り、蚊帳を張り、トイレの手洗いの水を汲み・・・・
生活の全てが仕事、年中無休状態です。
かっこよすぎます。
同い年、春まで3年間一緒に暮らしていた仲間がこうやって自分の道で頑張っているのを見ると鼓舞されます・・・

鼓舞され早速仕事を頑張るノマドワーカー、hinata笑

便所も用を足したら一杯土を入れるスタイル。
こんなの都会にはありません。大興奮の私。

風呂
湧き水を引いてきて溜めてます。
隣に薪ストーブがあり、そこから熱を引いていて沸かします。
温めるのに3時間ほどかかるそう、風呂がどれだけありがたいか身を以て感じました。
たまにイワナの稚魚がホースから迷い込んでくるらしいです笑

システムキッチン
湧き水が緑色のホースから流れてきます。
上のホースにつなぐと風呂へ、下のホースへ繋ぐと川へ流れる仕組みです。

そのまま川へ行くわけなので、洗剤も無添加。
自然の中で暮らす人の心配りはすごい。
これが少しづつ都会に近づくにつれて意識が薄らいでいくのでしょうか・・・
下水が配備されているとはいえ、上流に住む人がこのように気を遣っていることを下流に住む人も知らないといけないなぁ、と思った次第です。


宿の入口にはこんなものが。
ひたすらにかっこいいです。

こいつとも、すっかり友達。

鹿なんて、ご近所さん。

親父さんのご飯。
昼間、ちゃぶ台を縁側で囲みます。

満点の星空。
街灯が近くにないのですごいことになっています。

親父さんの集めた本。
石がおすきなようで鉱物の本やマニアックな虫の図鑑から小説まで。
晴耕雨読とはまさにこのこと。

クルミを割り、お昼の準備。
クルミがこんなに油を含んでいる木の実だなんて、知りませんでした。
いくら高校の勉強をしても、生きる力に直結することはごく僅か。この山の中で6日間生活しただけでも、なんか強くなった気がします。


完全に私の趣味ですが。
イワナ、ヤマメが釣れる川が目の前に。
綺麗な魚体です。

何でしょう、初タイマグラ訪問最後の夜にこの記事を書いていますが、虫の声が聞こえ、部屋には燻された紙が貼られ、耳元で虫の羽音が聞こえ、足がかゆい、畳が気持ちよく、電気は程よい優しい灯り。このいるだけで幸せといいますか、特に何をするわけでもなく幸せな空間は私にとって非常に新鮮なものでした。

「Sho、ここ最高だよ、生活がかっこいい、僕は住んでるわけじゃないからここでの苦労がどうとかわかんないけど、最高だよ」

と私が言うと

「最高だって言ってくれる人、来るべき人にきてもらえればいいのかなって思うんだよね、こんな虫だらけで隙間だらけな宿、宿って呼んでいいかわかんないくらいだけど、これでもいいって言って喜んで来てくれる人はいるし、そういう人に喜んでくれると嬉しいな、虫が苦手な人や、綺麗ないわゆる宿泊施設に泊まりたいと思って来られた方はびっくりしてしまうからね。だから軽々と広報したりできないんだよね笑」
と返してくれました。
本当にそうです。
この記事で美しい景色だったり、面白そうな諸々の写真を載っけましたが虫が無理な人、神経質な人は来ない方がいいかもしれないです、お互いの為にも(営業妨害か笑)(宿主には許可いただきました笑)

親父さんの作ってくれる飯も本当にうまかったです。
女将さんのパンもうまかったです。
山が綺麗でした。
川も綺麗でした。

是非、タイマグラに足を運んでみてください。
タイマグラの皆さん、お世話になりました、ありがとうございました、また来ます。

Text by : HINATA MAEDA慶應義塾大学総合政策学部(SFC)1年
まちの終活だとか、死に際の生き甲斐だとか、はっきりしないものばかり追い求める青二才。