MENU

650㎞先にある、もう一つの居場所

2年前の夏、私は東京のど真ん中を、紺色のスーツを羽織って歩き回っていた。

歩き回っていたといっても、この頃は自分がちゃんと歩けているのか、フラフラになっているのかさえもわからなかった。
しょっちゅう記憶が一定期間飛んでしまうからなんでもかんでもメモをとっていたし、アポイントの帰りは疲れのあまり距離があっても自腹でタクシーを使って帰っていた。

職場と家、20分間の距離の往復。毎晩どれだけ疲れていても眠れなかった。
東京の夏なんてイライラするだけで嫌いだった。

最終的には3年間勤めて温かく見送ってもらった大好きな会社だけど、この頃は都会の大きな組織の中で、自分の限界を超えて何かをすり減らしていたような気がする。

広い東京の中ほんの狭い場所にいたのに、今ここでできなかったら、
「ここしか居場所がない、認められる場所がない」
と思っていた。
 
 
 
 

そして今年の夏、私は東京で働きながらもう一つの職場ができた。

徳島県・三好市
 
 
 
 

初めて知った人も多いんじゃないかと思うけど、一言でいうと、日本人が知らない日本の秘境だ。
ここの夏は、山も空も色鮮やかで、水が澄み切っていて、みずみずしい。
 

私は普段は東京で働いているけれど、数ヶ月に一度、三好に気が済むまで滞在している。

 


駅前からちょっと車で出かけるとこの景色
 
 

デフォルトがこの透明感
 
 

駅前のパン屋さん。看板のフォントからして愛おしい。
 
 

今の時期は鮎が最高。地元の方いわく、新鮮すぎる鮎はメロンの味がする…らしい。
 
 

廃校を外の人も中の人も集える場所にリノベーションしたシモノロパーマネント。お気に入りの場所。
 
 
三好を知ることになったきっかけ、仕事をいただいている社会福祉法人の池田博愛会

利用者さんが割り箸やそばうどんなどの食品を始め、三好の自然資源を生かした様々な生産活動に携わっている。利用者さんも職員さんも街に貢献し、馴染んでいる姿はとっても生き生きとして見える。


私もちゃっかり仲間に入れていただいた。ギュウギュウの自撮りも良い思い出。
 
 
 
 

お接待文化(お遍路さんに食事などのもてなしをする風習)なのか、「福祉にこそ光を当てていこうよ」という大らかな気質なのか、東京から来たといえど特別扱いもされずウエルカムな土地柄。

私だけではなく、三好出身ではないけどここの文化や自然環境に惚れ込んで住み着いている人も多い。都心の企業がサテライトオフィスを構えて、豊かな環境の中仕事に励む人もいる。
池田の町中で大手コンサル会社の皆さんと出会って、半年に一回2週間ここで働いてるんです、なんて話を聞けるとは思っていなかった。
 
 

今のところ、自分が三好に移り住むことはないと思う。(家族や恋人と離れて暮らせるタイプじゃないから)
それに、東京の新しいインプットがどこに行ってもたくさんある環境も、街ごとに全く違う個性がある感じも好きだ。たまの満員電車くらい許したいほど、東京も好き。

でも、私はもう一つの働く場所がここにできて、もっというと「帰れるな」と思う場所がここにできて、自分が自分で居られるもう一つの人生の軸がもしかするとここにできてくるんじゃないかなと思う。
 

〜〜〜〜
都市生活者には三つの“居場所”が必要だといわれます。第一の場所(ファーストプレイス)が「家」。第二の場所(セカンドプレイス)が「職場」。そしてその二つの中間地点にある第三の場所を「サードプレイス」と呼びます。
〜〜〜〜
※出展:「日本の人事部」
https://jinjibu.jp/keyword/detl/241/

 
 
飛行機で、たった数時間で、どこへでもいける時代に生まれたんだ。
650㎞離れた場所に、もう一つの自分の場所があってもいいと思う。
 
 
 
 
もし、あなたが少しでもこの想いに共感してくれたのなら、是非来てみてほしい催しがある。
 

【MIYOSHI BRIDGE】

〜秘境の地域福祉と繋がる体験型イベント〜

徳島県 三好市。
急な斜面に佇む集落とその自然の雄大さから、米大手旅行雑誌で「2018年旅行すべき50の場所」において日本で唯一選ばれた場所だということ、ご存知でしょうか?

そんな三好市には、自然や文化はもちろんのこと、大自然と人、福祉が共生する、究極のユニバーサルが「当たり前」に根付いている地域福祉の存在があります。

そんな三好と繋がる、秘境の地域福祉を感じる体験型イベント。
…気になる?ほな、来てみんで!

MIYOSHI BRIDGE @OSAKA

MIYOSHI BRIDGE @TOKYO

keywords