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馬糞系ナースの生きる道 #04「遺伝子レベルで変な人」

#04「遺伝子レベルで変な人」

ウブマグをご覧のみなさん。かなりお久しぶりです!

馬糞系ナースのはるかです。めっちゃ長いことウ◯コしてました。

3月は、
ウ◯コが出る時のように、忙しくて時間が一瞬で過ぎてしまい、
4月は、
その反動で、ウ◯コのあとの余韻に浸って便座に座ったまま瞑想を始めるかのように、
燃え尽き症候群になっていました。(笑)

わたしのウ◯コする時のスタイルなんか誰も聞いてないっちゅうねん!
すみません、調子乗りました・・・

ふと、そんな瞑想(迷走?)中に、
わたしって遺伝子レベルで変人やなーってつくづく思ったんです。
 
 
 

 
わたしは、今の症状からしたら、「拡張型心筋症」なんですが、
実はその原因は「ベッカー型筋ジストロフィ」から来ているんです。
心臓病の家族歴(父や父方)があるから、遺伝子の検査もしておいた方が、
予後(症状の進行)の状態も予測できるかもしれないからっていう説明で、
軽い気持ちで以前に遺伝子検査を受けたところ、判明しました。
 
 
 
ベッカー型筋ジストロフィとは…
筋肉の機能に関与している遺伝子の異常によって、
筋肉をつくるタンパク質であるジストロフィンの量が
不十分または構造が変質しているため、
筋力の低下という症状が起こる。
 
この遺伝子の変異は、X染色体上におこり、
劣性遺伝(X連鎖遺伝)するため、Xを2本持っている女性はもうひとつのXが、
欠損している機能を補って症状は現れないが、
XとYそれぞれ1本しかもたない男性に発症するため、主に男性の病気である。

・・・難しい話はさておき、
男性に発症する可能性はあるけど、女性はほとんどなくて、
たまたま発症しても50代以降に心機能の低下がみられる程度。らしいんです。

わたしは、おち◯ちん付いてないし、心も乙女(?自称)やし、
心臓がヤバイって言われた時はまだ20代やったし。

先生から話を聞いた時はビックリしました。
学校の生物の授業で習った
“メンデルの遺伝の法則”が私は通用しないのか!?って。

リアルにレアな人らしいです。私って。

レアであろうが、変だろうが、
なってしまったものは仕方ないし、それでいいやん。
それが私という人間だから。

って、今は思っています。
だって、病気になったことで、
今までよりも、比にならないくらいたくさんのものごとに対して、
「幸せだ」って思えるようになったから。

補助人工心臓をつけることによって私は、退院することができて、
自分の足で一般的な大阪人にも負けない速さで
歩くことができるようになりました。
今まで常になんだか体が重だるくて体調不良だったのが、
今は生涯の中で一番体調が絶好調なんじゃないか?というくらいです。
(それでもやっぱり普通の健康な人よりもバテるのが早いですが…)

だけど、そうでない人がたくさんいる現実を、私は目の当たりにしました。
入退院を繰り返している人、補助人工心臓をつけても退院できずに
結局移植まで入院したまま待機しなければいけない人、
補助人工心臓の力を借りても歩くのも呼吸するのもしんどい人、
合併症で亡くなる人 …

私の手術の傷跡やドライブラインも、
はじめから出血や浸出液もない状態で、キープできています。
でもこれも、たくさんの補助人工心臓装着者が
消毒や傷口の処置で大変な思いをしているのが現状です。

病気って、なんて不条理なんだろう…

だからこそ私はこんな活動をしています。

2019年3月31日「Mazekoze Osaka」
誰も排除しない、排除されない、誰もが当たり前に生きられる社会もめざして、
世界自閉症啓発デーにちなんで、毎年この時期に開催されているイベントです。
その会場の入り口で出店させていただきました。

その名も「COMEバッジや」
老若男女、障がいがあろうがなかろうが、病気であろうがなかろうが、
だれでも作れるからおいでよ、come on!!
だってそもそも出店している人が、難病患者だから(笑)

同時に移植啓発のポスターや資料なども展示・配布させていただきました。
わたしが、補助人工心臓を背負いながら、お店を切り盛りしている姿をみて、
誰かの元気や希望になればと思って、やり切りました!

実際は、切り盛りしきれずに、たくさんの人に助けてもらい、
手伝ってもらって、交代してもらって、なんとかやり切った感じです。
達成感と同時に、人と人との関わりの温かさをとても感じました。

きっと誰かが助けてくれる。
そう思えると、尻込みしかけた時もありましたが、乗り越えられました。

2019年4月25日 同志社大学商学部SYVP(Share Your Value Project)のゼミ生向けの講義
 

 
SYVPとは、どうしたら、臓器提供の意思表示をしていない、関心が薄い層を、
意思表示や移植医療についての話に耳を傾けてもらえるのだろうか?
ということをテーマに、実際に活動しながら検証しているゼミです。
(と、私なりに解釈しております。間違っていたら指摘してください。)

「移植待機の当事者として、実際の生活などや、
待機中の思いなどについて90分間授業をしてください。」
という依頼でしたが、
いろいろ構想していると、それだけじゃただの
暗ぁ〜〜〜い…
重ぉ〜〜〜〜い…
話になってしまって、私の言いたいことが全然伝わらないなと思いました。

なので、
当事者であるとかそうでないとかじゃなくて、
すべての人にいつどういう形で訪れるかわからない死について、

「今、死ぬことを考えることは、これからの生き方を考えること」

という筋で、私の体験談を交えてお話しさせてもらいました。

そして、「なぜ、今この世で頑張って生きなければいけないのか?」
という問いかけに対して、
馬糞系ナース流の解釈を交えて、説きました。(ある意味宗教!?笑)

ハタチの学生さんたちが、
私が準備したエンディングノートをじっくり考えて書いている姿をみて、
わたしの思いは間違っていなかったんだ!と実感できて、感動しました。

エンディングノートは、人生のスタートラインに立ち直すためのノートでもあります。
だからこそ、いつから始めても、何回書き直しても良いし、

自分の思いを「ノート」という形で誰かに伝わるように残しておくことで、
こころざし半ばでも、自分の思いを引き継いでくれる人の目に留まるんです。
誰かの心に残るんです。

と、自分にも言い聞かせながら、毎日過ごしております。

私が今できることを全力で(静養する時も全力で Zzz..)やることが、
病気で苦しんでいる他の人の光となり、
それと同時に、
私ができなかったことを体現して、私の光になってくれる人が現れる…

力(りき)んで頑張って自分で出したウンコ(人生の消化物)が、良質であれば、
その土壌に栄養が行き渡り、植物が成長し、生き物も集まってくる。
そして村ができて、たくさんの営みができて…

そんなgreatなウンコを目指して、
この日常が、どんなに幸せな事であるかを毎日実感しながら生きています。

Text by : 辰巳 遥
DCMナースはるか。2017年に29歳で拡張型心筋症を発症し、現在補助人工心臓を装着しながら、心臓移植待機生活をしている。
移植待機者とは思えないくらいのActive Action, Active Mindをモットーに、ばふんペーパープロジェクト、コミュニティナースの活動を中心に毎日を生きている。