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DJ NOAH VADER:My Music life 023 Claire Laffut – “Gare du Nord”

My Music Life 023

皆さんこんにちは。

ライス兄弟の弟、実は少しだけフランス語が喋れる方のノアです。
少しだけって言っても少し細かい自己紹介くらいですし、それでさえ急にふられたら「ジュ、ジュテーム…?」とか言ってしまう、そんなポンコツなので、もはや喋れるというと詐欺になるレベルなんですが。かじった、と言いましょう。そうしましょう。
僕、フランス語かじってます。フランスパンもかじります。

さて今回はそんな、おフランスから世界へ飛び立とうとする若いアーティストの一曲をご紹介。

今回の、DJ NOAH VADER’s RECOMMEND!!!

Claire Laffut – “Gare du Nord”

んーーー、何言ってるかさっぱり分からん。

…じゃなくて、むしろ何を歌ってるのか理解出来なくても、落ち着いたメロウでどこかノスタルジックな雰囲気の中に、さりげないビートがあって、それに合わせて、MVの中の彼女の手の動きを真似て刻みたくなるような、RnBよりの一曲といえます。

僕がいつも真のゴールデンタイムと呼んでる午後11時から真夜中2時半ごろの深い夜に聴くにぴったりな曲でしょう。実際僕はその時間になったらほぼ聴いてます。

といっても、やはり何を歌ってるのか気になるところ。歌うからには伝えたいことや込められたメッセージがあるってもんです。

なので、これから検索エンジンフル活用して謎解き感覚でこの曲の意味を紐解いていこうと思います。
ワクワクしてきますね。ね?ね?するでしょ?

まず、タイトルのGare du Nordを直訳すると「北の駅」。この通りに検索をするとパリ北駅という本物の駅の情報が出ます。
つまりMVで出てくる電車や駅の光景はパリ北駅構内の映像でしょうか。

次に、一気に歌詞を掘り下げてみましょう。

翻訳が想像以上に骨が折れるので、とりあえず途中までにしておきます。

Avoir, avoir peur de tout
持っている、全ての恐れを持っている
(全てを怖がっている、ということでしょうか)

Stupéfiant dans ta chambre seul tout
部屋の中にはドラッグだけがあって

Tu seras pute à la Gare du Nord
北駅で売春婦になる

Si tu te perds dans les subtilités là-dehors
もしあなたがそこ(おそらく社会の闇的な)の隠れた部分に迷い込んでしまったのなら

Avoir, avoir peur de tout
持っている、全ての恐れを持っている(全てが怖い)

Stupéfiant dans ta chambre seul tout
部屋の中にはドラッグだけがあって

Y a pas si longtemps
そこまで昔じゃない頃に

T’as découvert ça comme délivrance
あなたは心の安心のためにそこに入った(身を委ねた)

C’est lâche, ma grande on te dira
臆病者、そう皆は彼女を呼ぶ

C’est l’âge
それは単に時の積み重ねだ

Pas sûr que ça s’estompe avec le temps
時の流れと共に過ぎ去るとは限らないけど

On reste tous des enfants
私たち皆の中に子ども(心)が残っている

※ほぼ繰り返し

En rien du tout tu ne te retrouves
何とも繋がれなくて

Plus rien du tout n’a de sens
もう何も意味をなさない

En rien du tout tu ne te retrouves
何とも繋がれなくて

Y en n’a pas un seul pour te comprendre
誰一人としてあなたを理解できない

En rien du tout tu ne te retrouves
何とも繋がれなくて

Plus rien du tout n’a de sens
もう何も意味をなさない

(Plus rien du tout Plus rien du tout)
もう何も意味ない もう何も意味ない

En rien du tout tu ne te retrouves
何とも繋がれなくて

Plus rien du tout, plus rien du tout
もう何も意味ない もう何も意味ない

そして、しばらく同じフレーズを繰り返したのち、この曲はこう締めくくられます。

Que passe le temps, que passe le temps
時は過ぎたのか、時は過ぎたのか

Faites que passe mon temps
私の中の時間を過ぎ去らせてくれ

…いや、めっちゃ暗いやん!もうちょっとノスタルジックな、過ぎ去りし日を懐かしむ曲だと思ってたのに!暗っ!こんなん真夜中に聞いてたんか、俺。

まあでも、この僕のすごーくぎこちない翻訳でもなんとなく言わんとする事は分かりますよね。

だいぶ詩的に表現された歌詞ですが、要は「何らかの事情があって社会が怖くなって、安心するため、自分の場所を見つけるために、パリ北駅で売春をやってる女の人は、心の中にまだ子どもの頃の思い出が生きていて、でも時は過ぎ去っていくので、もう諦め半分でいっそのことあの頃(生きる希望があった頃)が自分の中から過ぎ去ってほしい。」
みたいな、希望と諦めの間で揺れ動く心を描いた歌なのでしょうかね。

24歳にしてこういった内容の歌を歌うなんて…。てか24歳って僕と同い年やんか。マジか。

アーティストのclaire laffut(クレア・ラフット)は、ベルギー出身でこの曲の通りパリを拠点として、歌手としてだけでなく、画家やモデルとしてシャネルにも起用されたりと多方面でも活躍している人。
確かに美人だもんな…。

インタビューの中で、「1番古い記憶の中で聞いていた音楽は?」という質問に対して、「ダフトパンク」と答えたそうです。さすが。

ちなみに、画家としての衝動と言いましょうか、デビューEPをリリースした際、収録した4曲それぞれのイメージをモチーフにした絵と家具を作製したそうな。
創作意欲が溢れてたんでしょうね。

さらに同じEPでも別の曲になるも雰囲気が一変します。

claire laffut – “Mojo”

こちらは、前の曲とはうって変わって明るくなります。また音楽性でもアフリカンチックなサウンドを取り入れて、ダンサブルな一曲に仕上がっていますね。

ていうか、気づきました?このMVの最後、前の曲のメロディーと繋がってると思いませんか?僕は思いました。
こういう演出好きだな。僕は。

タイトルのmojoは正式な意味としては「人やものにもともと備わっている潜在能力」というもので、そこから転じて内から出てくる活力を与えてくれるという事で「麻薬」を指すワードとしても使われるようになりました。しかし、最近はもともとの意味に戻ってシンプルに「パワー」や「生命力の源」といった意味で使われるようになっています。この曲での意味はおそらく後者の方でしょう。

なお、以前あるインタビューで彼女は「自分のmojo(パワーの源)は、私の彼氏ディランよ。彼に出会ってから音楽を始めたの」と語っています。
良いですね。キュンキュンしますね。ディランうらやましいな。

そしてなんと、金ピカピンに塗られた人は彼女の本物の彼氏さんだとか。
彼氏を金ピカにする彼女も彼女だが、金ピカにさせる彼氏も彼氏だな。
もしかしたら、「俺金ピカになんかなりたくねぇよ!」「私のためになりなさいよ!」なんていうやり取りがあったのかもしれません。

ちなみに、彼女のインスタと照らし合わせると、このMVで出てくる絵も彼女自身が描いたものだと分かります。
インスタアカウントが音楽アーティストとしてのものと、画家としてのものとで分かれているのを見ると、彼女の中でこの二面性をあえて別々に分けてそれぞれを一単位として大切にしていることが伝ってきますね。

妄想が止まりませんが、いずれにせよ芸術肌で独特な感性を武器に持つ彼女の今後の活動から目が離せませんね。

デビューEPを去年出したばかりなので、しばらくはリリースされないでしょうが、1年後くらいには何か動きがあるでしょう。
その時まで楽しみに待っておきます。

それでは、今回はこの辺で!

皆さん良い音楽生活を!