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ジョナのオムニバスショートギャグ漫画『この病院はいろいろ危険です。』

◼️『この病院はいろいろ危険です。』

わたくしの初の医療もの、いかがでしたでしょうか。
実はつい最近検査入院をしてた最中に描いた作品です。
この作品は、人生とは。命とは。そして医療職として迫られる責任と決断。そういうことをテーマとして描いています。涙なしでは読めないでしょう。(ウソです。)
モデルとなっていただいた某病院の先生方、ありがとうございました。事前に下描きを確認してもらった際に、軽井先生のモデルとなった先生がすごい深妙な顔つきで読んでいたのを見て「あ、やりすぎたかな」と一瞬思いましたが、まあこれはこれで。

それでは次に「ジョニーのおすすめ漫画セレクション」!
第3回はコレだ!!

『星のカービィ デデデでプププなものがたり』

以前描いた『漫画家に明日はない』を掲載した際にもちらっと触れましたが、こちらは僕が人生で初めて自分のお小遣いで買った漫画、かつ漫画を描き始めたキッカケである作品です。

あらすじ
▶︎プププランドを舞台にカービィがいろいろな騒動を巻き起こしていく。また、ある時はデデデ大王が、またある時は個性溢れる様々なサブキャラたちが登場しカービィたちを巻き込んでいく痛快かつハートフルなギャグコメディ。

こちらは、1994年から2006年までコロコロコミックにて連載されたギャグ漫画。たくさんある「カービィ漫画」の中でも代表的な作品です。20代〜30代の方で子供の頃にコロコロコミックを読んでた人にとっては特に懐かしい作品なのではないでしょうか。
当時のコロコロでは、どちらかというといかにも少年漫画!という作品が多かった中で、この可愛らしいタッチの『星のカービィ』は異色を放っていて、コロコロのギャグ漫画としては珍しく単行本は全25巻という長期連載を果たしました。
1巻〜2巻ではカービィが冒険をしながらデデデ大王の悪巧みを阻止するストーリーにギャグを織り交ぜた話が中心でしたが、それ以降は基本的に1話完結で、カービィがドタバタ騒動を繰り広げたり、デデデがカービィに意地悪をしようとして逆に悲惨な目にあったり、またありとあらゆるキャラクターが登場し、多彩なストーリーを織り成していきます。

僕はコロコロコミックを買っていたのはほんの一時期で、基本的にこの作品も単行本で読んでいました。小学校3年生の頃、たった300円しかもらえなかったお小遣いを片手に古本市場太秦店に行き、目に付いた作品がこれ。たまたま手に取った第3巻の派手で楽しそうな表紙に目を奪われ、中身もろくに確認せず買ったのをよく覚えています。
その後、何年間も、紙が擦り切れるほど何度も何度も読みました。まあ擦り切れるほど乱暴に扱ってはいませんが、気持ち的には擦り切れるほど読みました。
その後、この作品を見習って漫画を描き始めることとなるのです。

マイルドかつトゲのあるギャグの作風は僕のギャグに大きな影響を与えています。
大学生の頃、講談社の編集者に僕の漫画を講評してもらう機会があったのですが、言われたのが「ギャグが古い、なんだか子供っぽい」ということでした(笑)そりゃそうだ。だってカービィに影響を受けてるんだもの。
まあそこはもちろん改善していこうと今も努力を続けているところですが、やはり今でも僕のギャグにはカービィと同じく、マイルドかつトゲがあり、トゲがありながらもマイルド、自分ではそう思っています。

また、絵もかなりの影響を受けています。特にわかりやすい例は『漫画家に明日はない』で登場した「犬さん」。

『漫画家に明日はない』より)

(『星のカービィ デデデでプププなものがたり』 第20巻より)

目がぁ!!目がぁ〜!!そう、目が似てる。
こういう目のキャラは僕の漫画では未だに登場しています。
ギャグも含めて、この「カービィの呪縛」から抜け出せる日は果たして来るのか!!?

ちなみにこの『星のカービィ』、実は20巻あたりから急に失速していきます。
今となっては有名な話ですが、ある時を境に作者の中での漫画に対する情熱が冷めていったと言います。18巻ぐらいからはほぼ全ての絵をアシスタントさんがたった一人で描いていて、そのアシスタントさんが辞めてからは作者が再び筆を取るも、描くこと自体が辛くなっていきそのまま打ち切り同然の形で終わってしまい、その後作者は漫画業界から姿を消してしまうのです。
このことは作者自身が最近になってインタビューなどで打ち明けています。

しかし今年、連載終了以来初となる12年ぶりの単行本が発売されました。

こちら、過去作を集めた傑作選ではありますが、12年ぶりにこれを読んだ僕の涙腺はもうガバガバですよ。
「あ〜これや〜これなんや〜当時俺が熱中した、俺の全ての原点がこれや~~~」っていう感じで読んでました。
そして現在発売中の、かつて少年少女だった大人のためのコロコロ、「コロコロアニキ」2018年夏号からこの『星のカービィ デデデでプププなものがたり』がとうとう12年の沈黙を破って連載再開したのです。作者さんが復活してくれて大変嬉しい限りです。

そんなこんなでこの『星のカービィ』。以前「ギャグ漫画には寿命がある!」的な話をしましたが、この作品は別。約25年前に始まった作品ではありますが、今の子供たちでも十分楽しめて笑えるギャグ漫画です。お子さんのおられる方は是非おもむろに買い与えてみてはいかがでしょうか。もしくは甥っ子姪っ子、友達の子、知らない子でもいいです。カービィの表情が気持ち悪いぐらいに豊かだった3巻〜10巻ぐらいがオススメです。カービィの表情を見るだけで笑ってしまいます。もちろん全巻制覇してくれても構いません。

それではまた次回。
今回で僕の中でのマイベスト3を紹介し終えたので、次回からはしばらく、我らが少年ジャンプで連載された作品を紹介いたします。お楽しみに。

皆さんも、レッツ!エンジョイ、マンガライフ!!

P.S
最後のシメのセリフ、もっといい感じのやつを募集してます。

Text and Manga by : ライス趙 ジョナ