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『就職活動中に見た!介護福祉業界の闇と光』:23歳女子が語る[人と出会うためのツール、KAIGO]002

[連載] 23歳女子が語る「人と出会うためのツール、KAIGO」002

自分の未来を決めた就職活動
私は都内の特別養護老人ホーム(以下特養)や施設系の事業所を中心に最終的には30社以上実際に足を運んで自分の目で見ました。中には業界的に注目されている事業所も行きましたが、チャレンジ精神を忘れちゃダメだなと思い、あえて一般的にイメージの悪い特養に絞ることにしました。見学をしている中で、色んな介護施設を知り「どこもピンとこない、どうしよう」「本当に就職なんてした方が良いのか?」と言った疑問までも浮かんでくるほどの絶望感に陥りながらも、ある日私はふと思いました。「どんなに良い事業所だって悪い事業所だって実際にケアをするのは介護福祉士である自分自身だ。事業所ではなく“人”を見よう」と。
そこから今の職場、そしてそこで働く介護士に出会い、ここでやるぞと決心したわけです。
自分が実際に働くにあたり、どんな職場がいいのか?どんなケアをしたいのか?慎重に考えながらじっくり時間をかけて決めたことは、いつ振り返ってみても「やって良かった」「あの時間がなければ今の私はない」と言い切れるほどの経験です。

就活の3大原則(介護福祉事業所ver.)


そんな風に、自分で選んで自分で決めた職場で3年働き続けた今、私が同じ場所で仕事を続けることができた理由がなんとなく分かってきたので、ここにまとめてみます。(あくまでも、持論ですので悪しからず。)

①変な人材紹介会社や他人に自分の大事な未来を託さない方がいい。良い事業所も悪い事業所も無数にある。見極める自分の目を鍛え、まずは自分のものさしで選ぶべし!!
実は私、その当時iPhoneを開くのも嫌になり、遂にどこかの人材紹介会社に登録してしまいました。そして紹介してもらった施設に1度だけ見学に行ったことがあります。(当時はなかなか自分に合う現場が見つからず相当追い込まれていたのかもしれませんね。笑)
ところがびっくり。その人の口からでる言葉は、「給料がいい」「家から近い」などとそんな条件の話ばかりでした。要するに、その現場の雰囲気も、仕事内容も、どんな人が働いているか?も、知らない人があたかもその現場を知り尽くしたかのような口調で紹介してくるのです。ほんと怖かったんですよ。最近ではもっと良いマッチングサービスや会社があるのかもしれませんが、正直こんな感じで介護士ひとりの人生が決まって行くのか!?と思ったら、悲しくもなってきました。上記で書いたように私のものさしは「どんなに良い事業所だって悪い事業所だって実際にケアをするのは介護福祉士である自分自身だ。事業所ではなく“人”を見よう」コレです。

②仕事をする上で自分が大事にしている介護観(価値観)を明確にせよ!
とはいえ、私にとっての良い職場があなたにとっての良い職場になるかは分かりません。さらに運の悪いことに高齢者の事業所なんてネットで調べたところで無数に出てきます。良い職場かそうでないかなんて到底判断がつきません。良い職場に就職したいと多くの人は思っていると思いますが、良い職場ってどんな所なの?ってことをきちんと自分に問い、答えを持つことで、無駄に迷わずに済むのではないかと考えています。これはどの仕事の就活でも言えることなのかもしれませんが、ある程度その仕事をする上での価値観が自分の中で言語化しているのとしていないのでは大きく変わってくるのではないかと思っています。例えば、私の場合だと見学をした時に自分の介護観を介護主任や施設長などのいわゆる主要人物に話すことで、相手に良い印象を与えることができたし、話した時の相手の反応を見た時に、その職場の雰囲気や傾向が良く分かり、「ここじゃダメだ」とか「ここならいけるかも」といった判断基準となる感覚が掴めてきたように思います。
私の介護観に関しては前回の記事に書かせてもらってますので、良かったらそちらを参考にして頂ければと思います。

③そこで働く介護士のケアのやり方・関わり方を見よ!!それは自分が受けたいケアなのか?
私がここで働くと決めたきっかけがまさにコレです。今の職場を見学をした時、実際に認知症のばあちゃんを入浴する場面に立ち会わせて頂きました。その時その介護士は、入浴なんかしたくないと叫び続けるばあちゃんに寄り添い、温かいトーンで声を掛け、滑らかな手つきで介助していたのです。それは私にとって、理想であり普通のケアでした。最低限の「自分が受けたいケアだ」そう思いました。それが、今の私の職場の配属先の上司です。なんでもやりたい!できる!と突っ走ってしまう私に、専門職としてのリスクや責任の重たさをいつも教えてくれた存在です。もっと書きたいですが内輪の話になってしまうのでやめておきますね。つまり、何が言いたいかというと、「自分のやりたいケアが出来ない」と嘆き、すぐに辞めてしまうといった介護士を多く見ますが、それはその人が「自分のやりたいケアが出来ない職場を選んだ」ということです。

ま と め

偉そうにブツブツと語ってしまいましたが、何よりも、これから福祉業界の現場に就職を考えている人には色んな場所に行ってより多くの選択肢の中から「自分に合った職場」を見つけて欲しいと願っています。切実に。今、理想の職場がなくて困っている人、本当にこの仕事でいいのかと迷走してしまっている人、転職を考えている人、たくさんいらっしゃるかと思いますが、私で良ければ相談に乗ります!なんなら一緒に現場を見に行きます!お気軽にご相談くださいまし♪
というわけで次回のウブマグは、5月6日!の第1日曜日!私から重大発表がありますので必ず見てくださいね~~!

Text by : 川上はるな

旅が好きな介護福祉士
介護現場のあらゆる問題解決のために、世界中を飛び回る。

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