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〜 じょんじょんしてる!?2 〜:天才と変態の連載023

[連載]天才と変態の連載023

来月9日10日に島根県の海士町で開催を予定している「じょんじょん祭り」
海士町にある3つの社会福祉法人の入居者合計70人がそれぞれ主役になることを目指した祭りである。
主な企画として

・自分の好物を豪勢にいただく「じょんじょんメニュー」
・地元最強!?のボランティアによる会場を巻き込んだ豪華な「民謡や踊りのステージ」
・化粧やおしゃれを楽しみ、気分が乗ったらレッドカーペットを歩いちゃう「ファッションショー」
・若い頃の写真やプロカメラマンに撮ってもらった現在の写真、思い出の品、聞き取ったお話の「展示」
・交流カフェ、アロマ、メイク、インスタスポット、プロカメラマンによる撮影

などなどをワクワクしそうなものが目白押し!!!
(昔の写真に聞き取ったエピソードを添えたフォトアルバム。既に大人気!)

これだけ企画があればきっと、一人ひとりの「じょんじょんスポット」にヒットするに違いない!

今ワクワクしながら考えているのが招待状。
自分の名前が入った招待状が来たら、それだけで嬉しいでしょ?
入居者さんそれぞれ状態が違うけど、人によっては何度お祭りの話をしても忘れてしまう。
(それはそれで問題ないんだけど)
そんな時!
手元に!素敵な自分への招待状があれば!
「あら?じょんじょん祭り?私も言っていいのね❤︎」と見るたびにじょんじょん。
認知症だからこそ、見るたびに楽しめるという

弱みを強みに! ←良いこと言いました

1年前に自分の中の「じょんじょん」アイデアをまとめ、去年の7月からじょんじょん祭りに向けて突っ走ってきた。(多くの方に苦労をかけつつ!!)
この祭りを島全体で作り上げるものにしたくて、第一回の打ち合わせの時から高校生に声かけし参加してもらった。

(記念すべき7月の第一回会議 この時に開発されたじょんじょんポーズ バラバラ笑)

彼らには大人の持っていない斬新な発想だったり、知らないからこそ出てくるアイデアを持っている。
その中でも面白かったモノの1つが「入居者のお話の聞き取り」である。
「僕らは17年間しか生きていない。入居者さんはその何倍も生きてこられた方々だから、その人生の物語を聞かせてもらい多くの人と共有したい」という意見があり、とても嬉しく思った。

若い世代が高齢者と関わりその方の人生を知る。
入居されている方は現在とはまったく違う、戦争、戦後の苦しい時代を生き抜いてきた。
もののない時代に必死に子供を育て高度経済成長を支えてくれた
今の日本の礎だ。

そういう方が命をかけたおかげて僕らがいると思っています。
そして、そうやって一生懸命生きてきた方々が歳をとり今どのように生きているのかを知って欲しかった。

先日ようやく、高校生とともに諏訪苑で聞き取りができました。
島前高校2年生である颯太とタマちゃんはじっくりと入居者のお話に耳を傾けて
「ほっこりしました」「思っていたより難しかった」と言っていた。
入居者さんも若者に話を聞かせることができて満足そうに見えた。

シュンスケは・・・もう最高のコミュニケーションを魅せてくれまして僕は度肝を抜かれましたよ。

彼の異ノーマルさが半端なく
時折注意しつつも、「こいつ、次は何をやらかすんだ!?」と心の中ではワクワクしていた。
彼が接した入居者の皆さんは初対面ではコミュニケーションをうまくとるのが難しい方々でしたが
あの手この手で仕掛けまくってました
僕がとっくに失ってしまった感性で、全力で入居者にぶつかるシュンスケ。
「そりゃお年寄りに失礼だろう!」と建前的に注意しましたが

「これみてくださいよ〜〜 最近のジャンプってエロいシーンが多いんですよ!!」
「昔と比べて画力が上がってるでしょ!」

がメチャクチャツボでした笑

すっごい自然体でいいなぁって思った。
シュンスケはたぶん、全くふざけていなかった。
というか何も考えていなかった笑
何も考えず、ただ自分と相手の中に何か共通言語がないか必死で探してたんじゃないかな。

耳の聞こえない方には
筆談や絵を描いて対応
時折スマホを取り出し写真を撮って見せてみたり。

会話が成立しない方には
自分の声を録音して聞かせるという謎の行為に及んだり笑
睨めっこ?変顔?よくわらない関わり方をしていたが
それも一つのコミュニケーション方法なのかもしれないと学ばせてもらった。
肩もみにも挑戦していたのだが
最初しかめっ面だったその方は
肩もみをされている間、表情が緩んでいた。
写真を撮らせていただき、シュンスケに見せると
その変化に気づいてくれて彼自身驚いていた。

いいなぁ。
良い風景だった。


高齢者施設又は障害者施設に訪問し交流することは
人生においてかなり大切な時間だと思うんだよねー
僕らが普段見てる世界なんてもう大多数の人間のために作られた世界で
同じ日本でも自分たちの知らない人々が多くいる事を知ってほしいなぁ
僕らの見ている世界は全然普通なんかじゃないんだよ
まぁ俺が中学生・高校生くらいだったら
「聞き取りなんてめんどくせー」と思ってたかもしれないけど笑

今回の聞き取りできっと何かを感じただろうし、これからの人生で施設入居者のお話をじっくり聞いた・関わったという経験は役に立つはず。
楽しかった!
もう一回くらい一緒にやりたいな〜〜!
じょんじょん!

うぉおおおおおおおおお
じょんじょんのことを考えすぎて真面目なことしか書けない笑

(働き過ぎると反動でこうなります笑 島では飲み過ぎません!噂が怖いから!!)

今日の押し付けの一曲
「人間発電所」 BUDDHA BRAND

普通がなんだか気付けよ人間

※ 物語はフィクションです。用法・用量を守って正しくお読みください。
読み込みすぎると、一般的な価値観、常識から逸脱する可能性があります。

Text by : Dyson Daigo

特別養護老人ホーム職員 & LOVE AMAプロジェクトリーダー
真面目と不真面目のギャップが病的な36歳

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