世界初の無重力リハビリ?! 障害児と家族の心と身体を動かす かがやきキャンプの秘密
以前ウブマグでお邪魔したかがやきロッジさんが、新たな拠点をオープン。
その名もかがやきキャンプ!
かがやきキャンプは、障害を持つ方の運動に特化した拠点であり、「キャンプだけどキャンプじゃないキャンプ」なのだそう。
・・・・・・どゆこと?????
ということで、今回は福山型筋ジストロフィーを持つ加藤まこちゃん、お母さんの加藤さくらさんと共にかがやきキャンプの体験取材に伺ってきました。
加藤まこちゃんは13歳。
筋ジストロフィーには徐々に筋肉が弱くなっていく特性があるため、生まれた時からリハビリを頑張ってきました。しかし、小学校を卒業したタイミングで、リハビリを受ける機会はぐんと減ってきてしまっています。
そして、かがやきキャンプは、まさにそんな方にこそ知っていただきたい拠点なのだそうです。
東京からの道のりは、片道約2時間半!日本の中腹、岐阜県に位置しているので、関東・関西どちらからも数時間でのアクセスが可能です。
事前にかがやきキャンプのスタッフさんが、名古屋駅から最寄りの笠松駅までの最適ルートを教えてくださったので車椅子でも安心!
子どもと家族のための、新たな居場所
かがやきロッジのお向かい。この左手に見える建物が、今回お邪魔する「かがやきキャンプ」です。かがやきロッジと同じく、木の温もりを感じるおしゃれな外観。
早速中に入ると、スタッフの藪本さんがお出迎えしてくださいました!
室内に入るや否や、天井に釘つけのまこちゃん。
見上げてみると、天井には木製の可愛らしい模様が広がっていました。場所によって、シマシマだったり、水玉だったりとバリエーション豊か。
「車椅子に乗った子どもたちは、普段から目線が上に向いていることが多いんです。かがやきキャンプの天井は、車椅子に乗った子どもたちもフロアによって景色が変わることが楽しめるように工夫されています。」
よくよく見れば、照明も直接子どもたちの目に光が入ることがないように下半分が影になった珍しい仕様。
様々なニーズを持った子どもたちへの配慮が細部に感じられます。
それもそのはず、以前ご紹介したかがやきロッジは全世代を対象とした在宅医療の拠点施設でしたが、ここ、かがやきキャンプは、重度の身体・知的障がいがある子どもや医療的ケアを必要とする子どもと、その家族のための施設です。
看護師・理学療法士、言語聴覚士などが常駐しており、近隣の方が利用できるだけでなく、全国から難病の子どもやその家族が宿泊しながら短期的にプログラムを受けることも可能だそうです。
さらに奥に進むと見えてきたのが・・・超本格的なトレーニングマシンの数々!
かがやきキャンプ内にあるかがやきフィットネスは、学齢期以降の肢体不自由児者を対象としたフィットネスジムとして使うことができます。
充実した設備は、パラスポーツのアスリートも利用されるほどのクオリティ。
さらに奥の室内には、なんだか怪しい機械が並んでいます・・・!
こちらは「InBody(インボディ)」という体成分分析装置。
数分で、体成分分析と栄養評価による栄養状態の把握、筋肉・脂肪量の計測による体の健康状態を知ることが可能だそうです。
さっそく使わせていただきましょう!
一瞬「食パンの袋を留めるアレ」に空目してしまうところでしたが、これがまた優れもの。
手足にペタッと貼り付け、コードに繋げてからほんの数十秒で、身体の様々な情報が印刷されたシートが出力されてきました。
これなら身体が動かしにくい障害のある子どもでも、気軽に計測ができますね。
出力されたデータは、かがやきキャンプのスタッフさんから詳しく説明を聞くことができます。 腕や脚といった、部位ごとの結果を見ることもできるので、そのまま運動の指標に活用可能。
リハビリを受ける前に一度測定をしておけば、双方に理解が深まりそうですね!
世界初の無重力リハビリ?!?!
そして、今回の訪問のメインとなるコンテンツがこちら!!!
世界初の無重力リハビリを実現するためにつくられた「デジリハプール」です!
実は、このデジリハの生みの親は、NPO法人Ubdobe。現在は株式会社デジリハとして分社化し、「デジタルアートとセンサーを活用した新しいリハビリツール」の開発と導入を行っています。
そしてこのデジリハプールは、プロダクトがリリースして間もない頃に「デジリハを導入したいんです!!!プールで!!!」というかがやきキャンプさんからの超前のめりなリクエストを受けて実現した、唯一無二のスペシャルなデジリハ!!!
全国、全世界、どこを探してもかがやきキャンプでしか体験することができません!
さあ、まこちゃんお待たせしました!
なんと、ここに来て、まこちゃんの勢いがストップ。
初めて見る光景に、ちょっぴり緊張しているようです。
ウブマグライターが土下座する勢いで焦り出したその時。
藪本さんが優しく声をかけました。たとえ取材だろうと、無理強いはしません。
本人の「ちょっぴり怖い気持ち」と「それでも挑戦したい気持ち」の両方を受け止めながら、薮本さんが一対一で丁寧なアプローチを行います。
少し落ち着いたタイミングを見計らって、チャポンと入水。
プールの温度は37~38度と、普通のプールより少しあたたかめ。子どもの身体を冷やさずに入ることができますし、私たちがプールに入るたびに感じていた、あの冷たくてビックリする感じもありません。
藪本さんが優しく身体を支えてくれるので、水の怖さが最小限に抑えられた状態でチャレンジできました。
入水から数分でプールの気持ちよさに気づいた様子のまこちゃん。すっかりご機嫌で、周りの大人に自分の姿をアピールする余裕まで出てきました。
すっかり水に慣れたところで、プールのプログラムはここからが本番!
スイスイ泳げば、壁面のデジタルアートから動物や乗り物たちが次々と目の前に現れていきます。
デジリハプールでは、体を使ったタッチで動くのはもちろんのこと、水でも反応するセンサーの特性を生かし、バシャバシャと水飛沫を立てて遊ぶことだってできるのです。
さらには、水鉄砲で狙いを定めてオブジェクトを撃つという、プールならではのとっておきな遊び方も大人気!
プールサイドからちょっかいを出すお母さんの表情だってこの通り。リハビリ中とは思えないほどの笑い声や歓声が室内に響き渡ります。
心の赴くままに遊ぶこと数十分。いつの間にかまこちゃんの体の力がスッと抜け、地上で曲がっていた脚が、自然と伸びていくのが見てわかるようになりました。
さらには、水のリズムに合わせてゆらゆらと脚を動かし、自ら水を掻くような動きも。
水が生み出すリラックス効果とデジリハの演出、そして藪本さんの生み出す安心感が、まこちゃんの動きたい気持ちをグイグイと引き出しているように見えました。
その後も、ボール遊びやボート遊びを通して水中ならではの自由な運動を堪能したまこちゃん。「水を得た魚のよう」とはまさにこのこと。
プールから上がる際には、プールサイドに設置されたお風呂で念入りに身体をあたためます。はしゃいだ体にお湯がしみるようで、まこちゃん、あっという間に眠りについてしまいました。
き、気持ちよさそう・・・。
ここで、かがやきキャンプのフィットネスを担当する、理学療法士の藪本さんにお話を伺いました!
全国の肢体不自由児者とそのご家族のチャレンジの場
「自ら動く」を引き出すプールの仕掛け
大事なことは、子どもが教えてくれる
かがやき「キャンプ」に込められた想い
かがやきキャンプは、全国からの利用者を募集中!
かがやきキャンプでは、全国からのフィットネス、スイミングの利用者を募集中です!詳細や料金は、以下の情報をご覧ください!
⚫︎かがやきキャンプWEB https://kagayaki-camp.jp/
⚫︎利用の詳細・お問い合わせ https://kagayaki-fitness.jp/#fitness
⚫︎かがやきキャンンプInstagram https://www.instagram.com/kagayaki_camp_gifu
本日のウブマグ記者:しょこ 取材の時はいつもメモにプラスして録音と書き起こしをしているのですが、「今回も書き起こしがんばるぞー!」と息巻いていざ録音データを開いたところ、終始薮本さんのインタビュー音声の5倍くらいのボリュームでまこちゃんの楽しそうなおしゃべりが入っていました。笑 https://twitter.com/ubdobe_media
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