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ONE LINE ARTIST SORA – 障がいは病か覚醒か –

こちらの神秘的な作品
 
 
 
もちろん遠目でも美しいのですが

 

よくご覧ください。

実はこちらの絵、
全て、終わりと始まりのない一本の線で描かれているのです。

 

 
しかも、こちらの作品を描いているアーティスト、SORAさんは
双極性障がいを発症したのちに、
突然この絵を描き始めたとのこと。
 
 
 
今回は、緊急特別企画として
NPO法人Ubdobe代表の岡と
一筆書き改め、ONE LINE アーティスト、
SORAさんとの対談形式で
お話をお伺いしたいと思います。 
 
 

 
 
 
お伺いしたのは岐阜県にある
SORAさんの自宅、兼、アトリエ。

 

 

 

迎えてくださったSORAさんは、
双極性障がいでの壮絶な経験をしたとは思えないほど、
優しく穏やかな印象。

しかし。
 
 
 
 
そこには、
私たちが想像もしていなかった
とんでもないものが待ち受けていたのです。
 
 

 
それがこちら

コタツ!!!!!!!!!

 

こんなの入らずにいられる訳ないじゃん!
という訳で、今回は前代未聞の「コタツ対談」
冒頭との雰囲気のギャップがとんでもない
ゆるく、そしてぬくい対談を、どうぞお楽しみください。
 

 

きっかけは、自身の鬱と双極性障がい

どうぞよろしくお願いします!
SORA
お願いします。
 
SORAさんの絵、半端ないっすけど、一体何をきっかけに?
SORA
2012年に鬱病になり、その後、双極性障がいを発症しました。
症状としては、どんな感じだったの?
SORA
まずは、全く眠れなくなり、仕事中も自分が何を言っているのかが自分でわからなくなりましたね。
 
何を言っているのかわからない、というのは?
SORA
何を言おうとしても、吃ってしまうんです。それで病院に行ったら、すぐに鬱病の診断が出て。そこからは自宅に篭りきりです。とにかく誰とも会いたくない。郵便配達の人も、回覧板の人も嫌で。ひたすら「死にたい、死にたい」と言いながら、篭って寝るだけの毎日が続きました。

▲ SORAさんが当時書いたメモ
「人と喋ると呂律が回らなくなった。
 何か仕事が嫌になって
 仕事の段取りがさっぱり分からなくなった。
 早く家に帰って寝ていたくなった。
 運転していると、
 どこに行けばいいのか分からなくなった。
 電話が取れなくなった。」

「突然脳内に、絵のビジョンが」

SORA
ある日、自宅で療養している時に、急に絵が描きたくなって。一人で机に向かい、ひたすらに描き殴り始めたんです。すると、突然脳内に、未来の絵のビジョンが浮かんできて・・・。
やべえな、色んな意味で。
SORA
そこから、その感覚が、一回自分の体に入って抜けなくなったんです。
ほんとやべえな、色んな意味で。
SORA
当時は、もう、ただただ興奮して。帰ってきた妻に、ものすごい勢いで「もう大丈夫だよ!」って言ったのを覚えています。
絵が描きたくなったのは、急に?今までは全くそんな趣味とか衝動はなかったの?
SORA
はい。全く。でも、昔から、母の日の似顔絵を真っ黒に塗りつぶしたり、あとは本が全く読めなかったり。脳の癖というか、不思議な兆候はあったのかもしれません。

絵を描くようになってから起こった、変化。

SORA
絵を描き始めてからは、徐々に気持ちが外に向くようになって。B型の事業所で働くとか、職場の人や、近所の人…妻以外の人と話すことができるようになりました。
それは、双極性障がいの症状が治ってきたということ?
SORA
双極性障がいの症状は今でもあるんですが、一番大きいのは、薬ですね。当時、飲んでいた薬の副作用で「アカシジア」と呼ばれる症状が出ていて。靴下の裏がすり減るくらい、一日中部屋を歩き回ったり、口がモゴモゴして、上手く話せなくなったり、夜にムズムズして眠れなくなったりしていたんです。でも、外に出るようになったことをきっかけに、薬を飲まなくて良くなりましたね。
どちらかというと、障がいと上手く付き合うことができるようになったっていう感じか。展覧会とかは出したことあるの?
SORA
2018年に、初めて、高山市の展覧会に出品しました。そこで、初めてにして賞をいただくことができたので、その後、岐阜美術館の展覧会に出品したら、今度は優秀賞を頂けて。徐々に評価していただいているというのは嬉しいです。
すごいな。「徐々に」というより、「確実に」という印象を受ける。でもSORAさん自身は、賞をもらうことよりも、見てもらえること自体に喜びを感じてるみたいだね。
SORA
はい。「人に見てもらいたい」という気持ちになったことは、自分でも本当に不思議です。

▲ SORAさんと、妻の智美さん。

奥さんの智美さんは、鬱の状態から脳がスパークするSORAさんの様子を見てどう思いましたか?
智美さん
はい。本当に頭がおかしくなったと思って、心配でしかなかったですね。ただひたすら、寝ずに絵を描いている毎日で。「双極性障がいって、こんな風になっちゃうんだ」って、怖くてたまらなかったです。
急に狂ったように絵を描き始めたらそりゃ怖いよな(笑)
智美さん
でも今は彼と絵に感謝しています。彼が絵を描き続けてくれたおかげで、こういう出会いがあって。新聞配達の人も怖かったはずの彼が、こうして堂々と人に会って話している。家族としてはそれが一番嬉しいです。

死ぬまでやることがなくならないというのは、幸せなこと。

SORA
今は、絵を描かなきゃ気が済まない。取り憑かれてる感じです。
「取り憑かれる」って感覚、すごくいいね。思い描いている、今後のイメージはある?
SORA
とにかく色んな人に、僕の絵を見てもらいたい気持ちでいっぱいです。生み出して、生み出して、とにかく生み出したいし、それを誰かに見て、とにかく何か感じて欲しい。その衝動とも言える感覚で、今は体がいっぱいなんです。
今も双極性障がいは完治していないということだけど、絵というツールを手にした今、その障がいとはどう付き合っていく気持ちでいるんだろう?
SORA
今となっては、病気になってよかったなと思っていて。これからもし病気になっても、手さえ動けば絵を描くことができる。死ぬまでやることがなくならないというのは、幸せなことだと思います。「絵に連れて行ってもらっている」感覚なんです。
格好良すぎる!今後、一緒に仕事ができることを楽しみにしています。今日はありがとうございました!
SORA
ありがとうございました。
 

 

 

対談の後、少しだけ、制作現場を覗かせていただけることに。
  

そこには、対談中の穏やかな印象とは別人のような


SORAさんの姿がありました。

 対談の時には見せなかった鋭い目。

 部屋中が、一気に静寂に包まれます。

「取り憑かれているよう」というSORAさんの言葉の意味が
わかったような気がした、そんな1時間でした。

双極性障がいがSORAさんの脳に覚醒を呼び起こし、
絵を描くことと出会わせた。
SORAさんにとって絵を描くことは
障がいを持った自分をありのままに受け入れることと
表裏一体だということがわかります。
SORAさんの生き方と活動に、今後とも目が離せません。

 

 

現在、これらのSORAさんの作品は、
合同会社ONE ON ONEのオンラインショップで販売中。
https://oneononeshop.official.ec

また、2月1日よりショールームとして再始動するHALUでも
SORAさんの一部の作品の展示・販売を行います。
作品を間近で見るチャンス。
ぜひお越しください。

▼HALU 〜Unique & Universal〜
http://halu-shop.com/
《2/1 〜 RENEWAL OPEN》
毎週 木金土 11時〜18時
東京都世田谷区三軒茶屋1-36-6-203 
電話番号03-6805-2880
問い合わせ:hello@halu-shop.com


さらにさらに。噂によると、
2019年は東京での個展も計画中とのこと。

止まらぬ勢いのSORAさんの活動。
今後、ウブマグでも追って参りますので、
どうぞお楽しみに!

 

 


▼SORA 1976年、愛知県生まれ。
2012年に躁鬱病(双極性障がい)となり、描きなぐった絵が進化しながら迫ってくる未来の絵のヴィジョンが降りて来て、突如、絵を描き始める。現在はシャープペンシルを使用して始まりと終わりの無い一本の線で絵を描くone line artistとして活動中。
*2018年 高山市第20回遊朴館公募展「飛騨を描く」遊朴館賞受賞
*2018年 岐阜県美術館 清流の国ぎふ芸術祭・第1回ぎふ美術展 自由表現の部 優秀賞受賞
<SORA関連SNS>
Instagram:https://www.instagram.com/one_on_one_label/
Online Shop:https://oneononeshop.official.ec
<お問い合わせ>
http://oneononelabel.com/contact/

 

▼岡勇樹 a.k.a ゆーく 1981年東京生まれ。3歳から8年間アメリカ合衆国・カリフォルニア州・サンフランシスコで生活し、帰国後DJ・ドラム・ディジュリドゥなどの音楽活動を始める。21歳で母を癌で亡くし、後に祖父が認知症を患ったことをきっかけに音楽療法を学びながら高齢者介護や障がい児支援の仕事に従事。29歳でNPO法人Ubdobeを設立し代表理事に就任。医療福祉がテーマのクラブイベント、障がい児や難病児と創る野外フェス、医療福祉系企業や行政のイベントやデザインのプロデュース事業などを立ち上げる。31歳で合同会社ONE ON ONEを設立し代表に就任、音楽事業とコンサルティング事業を開始。33歳で厚生労働省 介護人材確保地域戦略会議 有識者に選出。34歳で一般社団法人国際福祉機構を設立し代表理事に就任。35歳で東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部 ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議 構成員に選出。36歳で日本財団2017年度ソーシャルイノベーターに選出。

 

本日のウブマグ記者/しょこ

・・・はい。 ここで暴露です。

 

楽しそうに対談していた岡。

コタツのぬくもりにご満悦。

・・・あれ?・・・まさか?

ね・・・

寝たーーーーーーーーー!!!!!
対談中に寝やがった!!!! 

え?そんなことある?まじで?

というわけで、
実は後半のインタビューは
ピンチヒッターとして、
急遽私が対応したのでした。
大変遺憾です。マジで。

コタツマジック、おそるべし。

何より、そんな感じの私たちに
呆れつつも最後まで
答えてくださったSORAさん、奥さま。
本当にありがとうございました!!

(・・・あ、起きた。笑)