皆さんは、
目にしたことがあるだろうか?
SNS上に突如現れた
謎の単語「ヘラルボニー」。
聞き覚えのない
なんとも奇妙な響き。
洗練されたデザイン性を持ちながら、
幼さと力強さと
そしてどこか生々しさを感じる
不思議なフォント。
一目見たその時から、
「ヘラルボニー」が心のどこかに引っ掛かり
なんだかこのまま放っておいてはいけないような
不思議な気持ちにさせられてしまった。
もうこうなると、
頭の中はヘラルボニーのことで
いっぱいである。
ダメだ、これじゃ仕事にならない!!!!!!!
ということで、
その真相を探るべく、投稿元の人物に直撃取材に伺いました!
お話を伺うのは、MUKUでおなじみの、松田崇弥さん!
((MUKUについてはこちらをCHECK!))
え?なんなの?MUKUじゃないの?
てゆうかなんでトイレに座ってるの???
謎はますます深まるばかり。。。
それではさっそくお伺いしましょう!
謎の言葉、ヘラルボニー
その言葉の意味と由来とは?
SNSの投稿を見たみなさんを代表して単刀直入に聞きます!ヘラルボニーって一体なんですか!!
ヘラルボニーは、一言で言うと、僕らが運営する福祉実験ユニットの名称なんです。
このたび事業拡大のために、株式会社を立ち上げまして、MUKUを含めた、僕たちのやりたいことを全部この福祉実験ユニットにまとめました。その社名がこのヘラルボニーなんです。
なるほど。これからは株式会社ヘラルボニーの中に、MUKUが一事業として含まれる、と。そういう感じになるのですね。
ということは、その他にも事業が展開されていくのですか?
はい!今すでに動いているものだと、「全日本仮囲いアートプロジェクト」という知的障がいを持った人が作ったアートを事務所の装飾や街づくりに生かして世の中に浸透させていく事業、知的障がいを持つ兄弟のコミュニティプロジェクトなどがあります。今後、福祉を軸にいろんな実験を行っていこうと考えています。
▲ 全日本仮囲いアートプロジェクト
ちなみに、みんなを代表して聞きたいのですが、ヘラルボニーの由来はなんですか?めちゃめちゃ不思議な響きですけど。
僕たちには事業立ち上げのきっかけでもある、自閉症の兄がいるのですが。ヘラルボニーはその兄のノートに落書きしてあった言葉なんです。
▲松田さんの兄、翔太さんのノートに記されたヘラルボニーの字。
なんか、本人に聞いてみたところ、どうやら、ヘラルボニーは馬らしいです。
たぶん。
お兄ちゃんに、ヘラルボニーってなに?って聞くと、いっつもキレ気味に『馬!!!』って返ってくるので。笑
意外すぎる。そして何より、ネーミングセンスが抜群!
一度見たら忘れられない!
ロゴに込められた「こだわり」と「仕掛け」。
お兄さんの字、他のものも拝見しましたが、独特なタッチで癖になっちゃいますね!
▲松田さんの兄、翔太さんの書いた日記
一瞬何かわからずそわそわドキドキした気持ちになるんだけど、読むとほっこりします。
そうなんです!兄の字、めちゃめちゃいいんですよ。だから、フォントデザイナーさんにロゴをお願いするときも、なるべく原型を残すようにお願いをしました。
その辺、お見事ですね。忠実な再現かつデザイン性も高い。
ロゴをプロデュースしてくれたのは、紙製の印刷用活字をプロデュースしてくれたPapertype(
http://papertype.jp)さんです、まさか兄の字体をここまで忠実に再現してくれるとは・・・日々眺めては感動しています!
さらに今は、このロゴデザインのパターンをどんどん量産しているんです。
▲カラフルに量産されたロゴたち
紙活字®️を使って、知的障がいを持っている人たちが基礎の板に傷をつけてインクを塗って、ハンコのように押していきます。常に完成し続ける、永遠に完成しないロゴっていうのがテーマで。
なんだか、サグラダファミリアのようなロマンを感じます・・・。
要は、そうやってみんなで共に作っていく、「共創」の象徴にしたかったんです。もともと、「知的障害の人たちが作ったアート」っていうのが僕たちの原点なので。知的障害を持っている人が遊べる仕組みを作って、その仕組みにみんなが乗ってくれるようにしたくて。
ロゴをはじめ、ヘラルボニーは若手のクリエイターさんやデザイナーさんの仲間にすごく恵まれてるのが見てて伝わってきます!今は何人くらいスタッフさんがいるんですか?
インターンなどを合わせると8人の仲間がいます。募集してもいないのに集まってくれるので、本当に助かっています。
松田くんたちは私たちUbdobeよりも年齢層が一回り下だから、そういうぴちぴちのイケてる人材が、若い感性で福祉の世界にどんどんメスを入れてってくれるのは、とても刺激になっています!
ヘラルボニーが行う実験の
その先にあるものは、
“発明”か、それとも“炎上”か?
▲ヘラルボニーのメンバー
ヘラルボニーとして、今後はどのような世界を目指して行きたいですか?
やはり僕たちの活動の根本には自閉症の兄の存在があって。兄を含めた知的な障がいを持った人たちが、心地よく過ごせるような居場所を作りたい。っていう、その一心ですね。かなり個人的な感情になっちゃうかもしれないんですけど。
でも、当事者や当事者家族のそういう気持ちって絶対に揺るがない分、説得力がありますよ!その強い気持ちが人から人へとどんどん広がっていったなら、素敵なことですよね。
あと、今後実験に活かしていきたいこととして、前提条件を事前にインプットして整理してもらうことによって、福祉はもっと面白くなるんじゃないかって仮説を立てていて。
例としてわかりやすいのは、注文をまちがえる料理店ですよね。あれって、認知症のおばあちゃんたちがやっている、認知症とはどういう症状なのかっていうのを事前にインプットしているから楽しめるっていう仕組みじゃないですか。
なるほど!
確かに、かなり衝撃的だったし、話題性もありましたよね!
賛否両論もあったけれど、そうやって話題性を持つことで、あの議論を生んだということ自体がもう大きな価値だなって思いました。
結局、社会を動かす時って、批判されるくらい振り切れないと結局話題にもならないし、多くの人に伝わらないんですよね。福祉業界って保守的に、批判されないようにされないようにっていうところが多いけれど「炎上上等!」っていう気持ちで、どんどん挑戦的に挑んでいくことが私たちの仕事なのかもしれないですね。
そうですよね。僕たちにも、きっとそういう時がこれから来るんだろうなって思います。むしろ、そのくらいの覚悟で突き抜けていきたいなって。
ウンウン、わかります。Ubdobeも、たま〜に(?)炎上しますので。笑
価値観って、ある程度極端な刺激を受けて、大きな振り幅から、振り切って戻って、振り切って戻って、っていう繰り返しでだんだん一定の場所に定まっていくものなのかなと思います。そこから、見ている人たちが、自分の中で一番しっくり来る「正解」を見つけていってくれたらいいなって。
やっている本人たちは手段でしかないから、それを見ている人たちが結果としてどういうことを感じてくれたかって、大事なのはそこなんですよね。議論を巻き起こす、いい形だろうが悪い形だろうが、まずは誰かの心に引っかかる、っていうのが大切なのかなぁと思います。
社会に何かアクションを起こす上で、避けては通れない道ですね。
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いかがでしたでしょうか???
若手が元気だと嬉しいなぁ〜。という
老人めいたことを感じつつ、
いやいやまだまだ負けてられん!!!
と、決意を新たにされられたウブマグ記者なのでした。
そして、
みなさんが気になっていたトイレ。
実はこちらも、
ダウン症の作家、八重樫季良さんが描いたアート作品の一つです。
ロゴデザインから社会を巻き込む仕掛けをはかるヘラルボニー。
福祉界の若手のホープとして、
どう進化していくのか、今から楽しみですね!
今後も、彼らの活躍から目が離せません!!!
近いうちにUbdobeとのコラボも?!
できたらいいな…!!!
MUKU改め、ヘラルボニーの松田さん、本当にありがとうございました!
株式会社ヘラルボニー
異彩を、放て。をミッションに掲げる福祉実験ユニット。
知的障害の方が描くアート作品をプロダクト化するプロジェクトMUKU、
全日本仮囲いアートプロジェクト、未来言語、等々、
福祉を傘にモノ・コト・バショを企画する”アソブ、フクシ”な会社。
▼WEB SITE:http://www.heralbony.com
※ MUKUの商品をHALUで扱っています!
ぜひ合わせてご覧ください。
https://halushop.official.ec/categories/1137820
本日のウブマグ記者/しょこ
先日、30歳になりました。(皆さまお祝いありがとうございました!)
「30歳までに結婚する」という目標の達成はおろか、結局彼氏すらできませんでしたが、めげずにしぶとく生きていこうと思います。
さ、31歳までには・・・。